国際人道支援の医療を支える専門性
世界でも活躍する日赤医療センター職員
薬剤部・国際医療救護部 小林 映子 Eiko Kobayashi
これまで災害救援や難民支援の医療現場で培ってきた経験を生かし、国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)ジュネーブ本部にて、世界各地で使われる医療物資の調達を支える業務に携わりました。医薬品や医療資機材の品質評価、国際基準に基づく手順整備などを担当し、緊急時には十分な情報がそろわない中でも、リスクベースの考え方に基づき患者安全を最優先に判断することが求められました。
国や地域によって医療環境や制度は大きく異なる中で、医薬品や医療資機材の「質」をどのように担保するかは、患者安全と支援への信頼を左右する重要な課題です。特に印象に残っているのは、WHO(世界保健機関)の医療物資に関する国際基準づくりに関わった経験です。世界中の専門家と議論を重ねながら、現場で本当に役立つ基準を考える時間は、薬剤師の専門性が世界の医療を支えていることを実感する機会でした。
今回の派遣を通じて、国際人道支援の現場では、医療の「質」を基盤から支える品質保証と調達体制が不可欠であり、薬剤師の専門性が組織としての判断力と信頼性を支えていることを改めて認識しました。日常業務で培われた判断力や調整力は国際の場でも生かされ、薬剤師が関わることで支えられる「安全で適切な医療」が、世界のどこかで誰かの命を守っていることを実感しています。そうした思いを胸に、今後もこの経験を組織や後進に還元し、質の高い医療を支える力としてつなげていきたいと考えています。