特徴・特色
当センターは、母体救命や三次救急に対応しているのみならず、生体腎移植や造血幹細胞移植などの先進医療に力を入れていることから、輸血を実施する機会が多くあります。
輸血部は、患者さんに安全で適正な輸血を実施することを目的に1981年に当初輸血室としてスタートしました。当センターの輸血の特徴は、緊急輸血や大量輸血、新生児輸血が多い点にあり、輸血部は24時間体制でこれらに対応しています。末梢血幹細胞移植の際は、幹細胞処理、保存管理、幹細胞数測定を輸血部が担当し、当センターの移植医療を支えております。
また、当輸血部は2017年4月に輸血機能評価認定制度(I&A制度)、さらには2020年12月にISO(国際標準化機構)15189の認定を受け、安全かつ適正な輸血医療を提供する施設として認定されています。
主な業務
輸血用血液製剤の管理・検査・供給
診療部からのオーダを受けて血液型検査、交差適合試験、不規則抗体検査および輸血用血液の発注・管理・供給を行います。
輸血用血液は、コンピューターシステムで管理し、厳しく温度管理された血液専用保冷庫で保管しています。
赤血球保冷庫 |
血小板振盪機 |
全自動輸血検査システム |
貯血式自己血輸血の採血・保存・管理
予定された手術や分娩での出血に備えて、患者さんから採血した血液を保管しておき、手術もしくは分娩時に、その血液を輸血することを自己血輸血と言います。輸血部内に併設された自己血採血室で、自己血採血を行い、適正な保存・管理を行っています。
自己血採血室 |
造血幹細胞の保存・管理
採取された幹細胞は、訓練を受けた専門技師が幹細胞保管室にて無菌的に処理し、超低温のフリーザー(液体窒素タンク他)に凍結保存し管理しております。
幹細胞処理 |
超低温フリーザー |
フローサイトメーター |
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その他
部の体制・教育
スタッフは管理医師1名、臨床検査技師5名(うち認定輸血検査技師1名、細胞治療認定管理師1名)、看護師(兼任)1名、事務1名の計9名です。
検査技師や看護師を養成する近隣大学・専門学校の学生に対し、輸血業務教育を行っています。