集中治療科

当科のご紹介

集中治療科では集中治療室(ICU)において、重篤な全身疾患や侵襲の大きい手術などにより生命を脅かされている患者さんの治療を各科主治医と協力して行っています。集中治療室には集中治療科または麻酔科の医師が交代で24時間常駐しています。ICUの患者さんは脳、心臓、肺、肝臓、腎臓など重要臓器に障害を来たしていることが多く、原疾患の治療とともにこれらの臓器サポートが生命維持に欠かせません。このために人工呼吸器、補助循環装置(大動脈内バルーンパンピング、経皮的心肺補助など)、血液浄化装置(持続的血液濾過透析、血漿交換など)などの高度な医療機器を駆使しますが、これらの維持管理には臨床工学技士が24時間体制であたっています。また感染対策、栄養管理は全身的な重症病態から合併症なく回復するために重要であり、感染管理チーム(ICT)、管理栄養士と協力して感染症の克服と早期からの栄養改善に努めています。またICUの患者さんは手術や処置により様々な苦痛を伴い、さらに多くの管やケーブルに繋がれて監視され常に大きなストレス下にあり、異常な興奮、幻覚・妄想、うつ症状など精神に変調をきたすことがしばしばあります。ICUのスタッフは心のケアにも気を配り、適切な鎮痛、鎮静を心がけ、必要に応じてメンタルヘルス科医師や公認心理師師などからなる精神科リエゾンチームに協力を依頼するようにしています。さらにICUの患者さんは長期間臥床や絶食を余儀なくされ、生命の危機を脱した後も、歩く、食事をするなどの日常生活になかなか復帰できない方が多くおられます。これを避けるため、ICU入室後できるだけ早くから理学療法士によるリハビリを、また経口摂取が可能になったら速やかに言語聴覚士による嚥下訓練を開始するようにしています。このように集中治療科は、様々な職種のスタッフが協力するチーム医療の中心となって、患者さんが救命されるのみならず心も体も元気を取り戻せるように取り組んでいます。

特色

当センターICUには以下のような患者さんが多く入室されます。
手術後は心臓手術、肝胆膵手術、食道手術、脳外科手術、生体腎移植、透析合併脊椎手術、小児の手術、産科出血、腎不全や虚血性心疾患、慢性呼吸不全など全身的にリスクのある患者さんが入室します。手術後以外では、重症感染症・敗血症、急性脳炎、てんかん重積、心不全、心筋梗塞、呼吸不全(ARDS)、劇症肝炎、急性膵炎、腎不全、播種性血管内凝固(DIC)などの治療で入室されます。外傷、脳血管疾患などで救急から入院された重症患者さんは原則として救命救急センターのICU(EICU)に入室されます。

主な実績

2021年度

ICU入室患者数 835名

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