人から人には感染しない 中高年のやせ型の女性に多い
——NTM症とはどのような病気なのですか。
坂本:非結核性抗酸菌(NTM)という、抗酸菌の仲間に感染することで発症する呼吸器疾患です。
主な症状としては長引く咳や痰があり、全身症状として食欲低下、体重減少、微熱、だるさなどがみられることもあります。
2014年のデータでは人口10万人あたり約15人の患者さんが新たに発症しており、近年急増しています。
CTやレントゲン技術の発達によって見つかりやすくなっていることが一因と考えられていますが、
はっきりとした原因はわかっていません。また、実際にはこの数字以上にNTM症と診断されていない潜在的な患者さんが多くいると思われます。
NTM症と似たような感染症に結核があります。結核の原因である結核菌、ハンセン病の原因のらい菌、そしてNTMは全て抗酸菌と呼ばれるグループに属しています。
抗酸菌のうち、結核菌とらい菌を除いたものがNTMです。これらにどういった違いがあるかというと、結核は人から人に感染する一方、NTM症は人から人に感染しないと考えられています。
——NTM症は人から人に感染しないとのことですが、ならばどのような感染ルートがあるのですか。
坂本:NTMは水や土壌に多く生息しています。水回りでいえばシャワーヘッドなど常に濡れているところにNTMが多くいます。土の中にも多くいるので、
昔井戸水を飲んでいた、趣味でガーデニングをしている、農業を営んでいる方などは比較的感染しやすいと考えられますが、その他にも多くの要因が絡みあっていると考えられています。
患者さんの特徴としては、ざっくりと2パターンあり、①中高年のやせ型の女性、そして②喫煙歴のある高齢男性です。ただ、その理由についても詳しくわかっていません。