医療安全推進室

特徴・特色

医療安全推進室は2004年3月に設置され、今年21年目を迎えます。
主たる業務内容として、日々のインシデント・アクシデント報告の確認があります。内容によっては報告者や関係者からの聴取、発生場所の訪問確認などを行い事故の背景や要因の把握を行っております。また室員による会議を週に1回、多職種から構成される委員会を月に1回開催し、重大事例を中心に様々な職種の視点からの意見交換を行うとともに再発防止策の周知に努めております。更に、医療安全文化の醸成を目的に全職員を対象とした職員必須研修をe-learningの実施や医療安全標語を募集しコンテストの実施を行っております。
今年度は、心理的安全性と転倒転落防止をキーワードに多面的な活動を行い、全ての方に安全で安心な医療を提供できる体制作りを進めてまいります。

 

主な業務

医療安全の感性を高め、安全・安心の医療を提供できるように活動しています。

  1. インシデント・アクシデント事例の収集・分析・対策・情報管理を行っています。
    1. 医療安全推進室定例会の開催:週1回
    2. 医療安全推進委員会の開催:月1回
    3. 看護師長会での報告:月1回
    4. 運営会議での報告:月1回
    5. リソースナース(老人看護専門、糖尿病看護特定認定)との検討会:月1回
  2. 院内で発生しているアクシデントを全職員に発信しています。
    1. 電子カルテを使用して全職員に情報を共有しています。
    2. 医療安全ニュースを配信しています。
  3. 職員に対する教育・研修
    1. 医療安全推進室・感染管理室による職員必須研修の実施:年2回(前期、後期)
    2. BLS(一次救命処置)・AEDの講習会:年3回
    3. 看護職に対するKYT、QuickSAFERの講義:リンク会議時
    4. 安全川柳(職員作成)による啓蒙活動
  4. 各部署の安全対策推進活動への支援をしています。
    1. 各部署へラウンドを行っています。
    2. 各部署の安全対策に関するカンファレンスに参加しています(適宜)。
    3. 各部門・部署の安全リンクスタッフを中心に作成する、医療センター版「医療安全知恵の輪」の発行しています。
  5. 自己研鑽(学会・研修の参加)をつみながら、全職員に安全・安心な医療を提供するために活動をしています。

BLS研修

BLS研修イメージ01

  

医療安全管理指針

1 )基本方針
 日本赤十字社医療センターは、医療において人道・博愛の赤十字の理念に基づき、地域国民の生命と健康を守るという使命を果たし、安全な医療の提供と地域における更なる信頼関係の構築を図るため、医療安全対策の徹底を図る。
また職員は、次に掲げる患者の権利を尊重し、安全な医療を提供する。
 ・個人の尊厳、個人情報、プライバシーが守られる権利
 ・個人の意思、価値観、人格が尊重される権利
 ・安全、良質で公正な医療を受ける権利
 ・必要かつ十分な情報提供と説明を受ける権利
 ・医療の内容や治療方法を自らの意思で選ぶ権利
 ・自分の病気について他の医師の意見を求める権利
 ・診療録の開示を求める権利

2 )組織と体制
【医療安全推進委員会の設置】
 次の事項を協議検討するために医療安全推進委員会を設置する。
 (1)インシデント・アクシデントの報告に関すること
 (2)医療安全対策の検討及び推進に関すること
 (3)医療安全推進のための教育、研修に関すること

【医療安全推進室の設置】
 医療の質の向上及び安全性の確保することを目的とし、次の業務を行うため院長の下に医療安全推進室を設置する。
 (1)安全管理の指針の策定及び安全管理体制の構築
 (2)医療安全に関する職員への教育・研修実施・評価
 (3)安全の確保に関する活動管理
 (4)医療事故への対応
 (5)安全文化の醸成
 (6)医療安全に係る諸規則の制定、改廃に関すること
 (7)インシデント・アクシデントの報告の集計、分析に関すること
 (8)委員会で協議された事項の決定及び実施

【医療安全管理者等の設置】
 医療安全推進室の業務を行うため医療安全推進室に室長、室員の他専従の医療安全管理者を置く。各部署にリスクマネージャーを配置する。
 医薬品に関しては医薬品安全管理責任者(薬剤部長) を配置する。医療機器に関しては医療機器安全管理責任者(医療技術部長)を配置する。

〈医療安全推進室長〉
 院長から委嘱された権限に基づいて、医療安全推進室の責任者として、医療の質と安全の確保のために医療安全管理に係る必要な権限と必要な資源を付与されて業務を行う。
(1)選任 
 院長の指名する副院長を充てる。
(2)役割 
 医療安全推進室の責任者としての医療安全推進活動の総括的役割を果たすこと。 
ア .安全管理の指針の策定及び安全管理体制の構築 
イ .医療安全に関する職員への教育・研修実施・評価 
ウ .安全の確保に関する活動管理 
エ .医療事故への対応 
オ. 安全文化の醸成 

〈医療安全管理者〉
 施設内の各部門のリスクマネージャーと連携を図り、医療安全対策を組織横断的に実行する。 
(1)選任 
 院長の指名する者で、医療安全管理者として業務を実施する上で必要な内容を含む通算して40時間以上又は5日程度の研修を受講修了している者。
 また、専従者であること。
(2)役割 
 医療安全推進活動の実践的管理者としての役割を果たす。 
 医療安全推進室長と協議し、以下について具体的な活動を行う。 
  ア.安全管理の指針の策定及び安全管理体制の構築 
イ.医療安全に関する職員への教育・研修の実施 
ウ.医療事故を防止するための情報収集、分析、対策立案、フィードバック、評価 
エ.医療事故への対応 
オ.安全文化の醸成 

(3)権限
 役割遂行のため院長より委譲され以下の権限を有する。
ア.組織横断的に院内の全部署に調査・介入する権限
イ.医療事故防止における対策の指導および指示を現場に直接行う権限
ウ.医療安全管理委員会へ医療安全全般における重要事項の報告および対策の改善事項について、提言を行う権限
エ.緊急時には医療安全推進室員を招集し会議を行う権限
オ.インシデント・アクシデント・医療事故調査の情報収集を目的として、電子カルテ・個人情報を閲覧する権限

〈リスクマネージャー〉 
 各部署の医療安全管理を行う。
(1)選任 
 各部門の全ての責任者をリスクマネージャーとする(診療部門は部長等、看護部は看護師長等、コメディカル・事務部門は課長等)。 
(2)役割 
ア.各部門の医療安全の責任者。 
イ.院内の医療安全推進活動を所属職員に周知し、実践を指導する。 
〈医薬品安全管理責任者〉
 医薬品の安全使用のための責任者であり、医薬品に関する医療安全推進活動を担当する。 
(1)選任 
 医薬品の安全管理体制を確保するため、院長は医薬品の安全使用のための責任者として、薬剤部長を選任する。 
日赤薬剤師会等が主催する医療安全に関する研修を受講していることが望ましい。 
(2)役割 
ア.医薬品の安全使用のための職員への研修実施 
イ.医薬品の安全使用のための業務手順書の整備 
ウ.業務手順書に基づいた業務指導 
エ.医薬品の安全使用に必要な情報収集及び職員への周知 
オ.医薬品の安全使用を目的とした病院内のルールの見直し及び改善 

〈医療機器安全管理責任者〉 
 医療機器の安全使用のための責任者であり、医療機器に関する医療安全推進活動を担当する。 
(1)選任 
 医療機器の安全管理体制を確保するために院長は医療機器の安全使用のための責任者として、医療技術部長を選任する。 
 
(2)役割 
ア.医療機器の安全使用のための職員への研修実施 
イ.医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検 
ウ.医療機器の安全使用に必要な情報収集及び職員への周知 
エ.医療機器の安全使用を目的とした病院内のルールの見直し及び改善

〈医療放射線安全管理責任者〉 
 病院長より診療用放射線の安全使用のための権限委譲を受けた管理責任者であり診療用放射線に関する医療安全推進活動を担当する。 
(1)選任 
診療用放射線の安全管理体制を確保するために病院長が指名する、診療用放射線の安全管理に関する十分な知識を有する者。
(2)役割 
ア.診療用放射線の安全利用のための指針の策定
イ.放射線診療に従事する者に対する診療用放射線の安全利用のための研修の実施 
ウ.放射線診療を受ける者の当該放射線による被ばく線量の管理及び記録、その他の診療用放射線の安全利用を目的とした改善のための方策の実施
エ.放射線の過剰被ばく、その他の放射線診療に関する事例発生時の報告と対応

3)医療安全管理のための研修
【医療安全の教育、研修】
 医療の質の向上を図り、患者の安全管理に取り組むスタッフを養成するため、次の事項を目標に職員に対し、医療安全研修を年2回以上実施する。
(1)患者安全管理の重要性を認識し、基本的知識を習得する。
(2)事故が発生した場合の原則的な対応について理解する。
(3)事故事例の分析と原因を追究する能力を養う。
(4)事故を予防するため患者安全管理をシステムとして構築することを学ぶ。

4)医療事故発生時の報告・対応
【インシデント・アクシデントの報告】
 インシデントまたはアクシデントが発生した場合、関係職員は電子カルテ(インシデント・アクシデント報告専用ソフト)で、入力する。
医療安全推進室は、報告された事例を集計、分析して対策案を検討する。また、医療安全推進委員会に付議し、協議の結果、成案となったものは、幹部会議及び管理会議の承認を得たのち、実行を図る。ただし、緊急を要する場合は、院長の名により直ちに医療安全対策を実施する。

【重大事故発生時の報告】
(1) 次のような医療事故が発生した場合は、関係当事者は医療安全推進室に報告する。
ア.該当する行為において患者を死に至らしめるか又はその可能性がある場合
イ.該当する行為によって患者に重大もしくは不可逆的な障害を与えるか又はその可能性がある場合
ウ.患者や家族などから異論があり医療紛争に発展する可能性があると認められた場合

(2)上記報告がされた場合、医療安全推進室は直ちに院長及び医療事故等医療事故等調査委員会委員長に報告する。
(3)医療事故等調査委員会委員長は、医療事故報告書を受け、必要があると判断したときは、医療事故等調査委員会を招集する。原因を究明し、対応策を検討して結果を院長に報告する。ただし、緊急を要する場合は、当該委員会の招集についてはこの限りではない。
(4)院長は、医療事故等調査委員会委員長の報告を受け、対応策を決定する。

【医療事故発生時の対応】
(1)医療事故が発生した時、関係当事者は、別に定める手順により、報告、連絡あるいは相談し、その回復に全力を傾注することはもとより、患者及び家族に対し誠意を持って対応する。
(2)医療安全推進室は、医療事故発生後、別に定める手順により関係当事者と協力して対応し、遺漏のないよう取り計らう。

【患者相談窓口の設置】
患者およびからの家族からの苦情や相談に迅速かつ適切に対応するため、患者相談窓口を設ける

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