臨床指標

令和5年度 日本赤十字社医療センター 病院情報の公表

はじめに

  当該指標は、DPCデータから全国統一(厚生労働省指定)の定義と形式に基づいて作成した指標のことで、病院の実績を表す診療実績とは異なるものです。当該指標を公開する目的は、地域の皆様に当センターの特徴や急性期医療の現状を理解していただくことであり、当センターでは、このようなデータをもとに更なる医療の質向上に向け、取り組みを行っています。
なお、患者用パスを一部公開いたしましたが、患者用パスは診療内容の変更等で適時見直し・修正を行っています。このため、公開している患者用パスは実際に入院された時点と診療内容等が異なる場合がありますので、ご注意ください。

集計条件(詳細はこちら

  1. 集計対象は、2023(令和5)年度(2023年4月1日~2024年3月31日)の退院した患者のうち、一般病棟に1回以上入院した患者
  2. 患者数が10未満の場合は「 - 」(ハイフン)を表示
  3. 入院した後24時間以内に死亡した患者又は生後1週間以内に死亡した新生児、臓器移植に関する患者は集計対象外

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード

【項目の説明】
  一般病棟の年齢階級別(10歳刻み)の患者数を示しています。

年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1,610 221 455 1,003 1,037 1,412 1,993 2,919 1,983 416
当センターは地域の中核病院として幅広い年齢層の方々が受診されます。当センターは基幹とする診療機能を「がん診療」、「小児・周産期医療」、「救急医療」、「災害救護」と定めています。2023年度の総退院患者数は13,049人です。当センターは地域がん診療連携拠点病院であることもあり、罹患率の高い60歳代~80歳代の患者さんが6,895人(52.8%)と半分以上を占めています。また、「周産母子・小児センター」という妊娠・出産・育児の過程において母子の健康を総合的に支援する体制を整えているため、0歳~9歳が1,610人(12.3%)、20歳代~40歳代が2,495人(19.1%)と多い傾向にあります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

【項目の説明】 各診療科における症例数の多い診断群分類(DPCコード) ※1 について、患者数、当センター及び全国の平均在院日数、転院率、平均年齢を 示しています。 ※1 診断群分類(DPCコード)の構成

DPCの構成



化学療法科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 36 4.64 4.42 0.00% 58.81
060040xx99x70x 直腸肛門(直腸S状部から肛門)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし 16 1.00 4.38 0.00% 65.00
070040xx99x3xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等2 3あり 12 4.75 13.69 0.00% 39.50
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし - - 8.33 - -
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし - - 4.05 - -
肺がん、消化器がん、婦人科腫瘍、泌尿器腫瘍などにおける化学療法や分子標的治療および免疫療法、また症例数の少ない精巣腫瘍・原発不明がん・頭頸部腫瘍および肉腫を含む骨軟部腫瘍に対する治療も積極的に実施しています。
わが国における死亡原因の第1位は悪性新生物(がん)であり、日本人の2人に1人ががんに罹り、3人に1人ががんで亡くなる時代になりました。特に、他の臓器に転移のある場合や手術後に再発した場合の多くは、完治が難しい状態にあります。化学療法科は、分子標的薬剤、免疫療法剤を含めた抗がん剤治療を中心に、内科的に様々な側面からがん患者さんを診察します。 入院治療を行う人の大多数は、初回入院で副作用を確認し、やり方を理解してもらった上で、その後外来での治療に移行します。したがって平均在院日数は短く、また転院率はごく低めです。 緩和治療メインに移行する場合も、在宅医療と協力しつつ、当センターの緩和ケア科とともにがん患者さんをフォローしていきますので、よほど遠方の人でない限りは「当センターでの診療を打ち切る」ということはまずありません。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 79 6.05 6.37 2.53% 3.59
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 67 5.81 5.96 0.00% 2.61
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 47 1.00 2.12 0.00% 4.00 01
14031xx09910xx 先天性心疾患(動脈管開存症、心房中隔欠損症を除く。)(1歳以上) 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 35 3.97 4.00 0.00% 3.57
150070x0xx01xx 川崎病(2歳以上) 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 29 11.17 9.64 0.00% 3.79
当センター小児科の入院患者の割合は、元来夜間休日救急からの入院が3分の1、他院からの紹介・当日外来からの入院が3分の1、検査・処置目的の予定入院が3分の1となっており、肺炎、気管支炎などの呼吸器系感染症が多く、季節によって消化器系感染症、気管支喘息が増える傾向にありました。その傾向はCOVID-19流行後変容していましたが、徐々にCOVID-19流行前に近い状況へ変化し、2023年度は2022年度と比較してCOVID-19流行前の傾向にさらに近づいた結果となりました。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 99 19.56 19.94 19.19% 72.43 02
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 86 26.07 25.50 62.79% 79.62 03
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 85 16.78 19.55 21.18% 65.19 01
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 73 16.92 15.66 15.07% 72.52 02
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 38 17.71 21.96 13.16% 74.42
当センターの整形外科は、脊椎疾患、関節疾患、外傷疾患を主に対象とした診療を行っています。疾患別では脊柱管狭窄症、不安定脊椎疾患、変形性股関節症、大腿骨近位部骨折が上位を占めており、ここ数年は全体的な症例数のバランスは著変なく 、急性期外傷亜から慢性期疾患まで幅広い症例に対して高度で効率的な診療を行っています。大腿骨近位部骨折は平均年齢が高く、転院率も高くなっています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010010xx9903xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 3あり 48 7.50 17.01 14.58% 61.27
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 38 6.84 9.88 5.26% 70.74
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 30 6.40 8.38 13.33% 43.17
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 24 2.04 2.95 0.00% 62.33
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 手術・処置等2 なし 22 4.64 6.25 0.00% 63.36
脳神経外科では、脳血管障害(脳動脈瘤、血管奇形、脳出血、脳梗塞など)、外傷を含む救急疾患、良性・悪性(がんの転移を含む)の脳腫瘍、顔面痙攣や三叉神経痛などの機能性疾患、小児脳神経外科疾患などを中心に診療しています。手術にはならない小さな脳腫瘍や多数の転移性腫瘍などは、サイバーナイフによる放射線治療を施行し、手術と組み合わせた集学的治療も数多く行っています。未破裂脳動脈瘤に対するカテーテル法は術前検査として行い、手術を開頭法や血管内手術法で多数治療しています。3次救命救急施設のため、外傷(頭蓋内損傷)の手術も多くなります。ここに公表されるデータ(患者数・平均在院日数・転院率・平均年齢等)はあくまでも診療報酬制度DPC上の大雑把な分類によるもので、疾病の重症度や細かい病態、医療機関の地域性、社会的背景等は反映されておらず、医療機関間の診療実績のように比較検討することも困難です。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x00x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 57 8.56 9.89 0.00% 65.02 01
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 26 7.42 9.54 0.00% 29.69 01
040200xx99x00x 気胸 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 9.17 - -
040040xx97x01x 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり - - 17.21 - - 01
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり - - 7.59 - - 01
呼吸器外科では、原発性肺癌をはじめとして肺の悪性腫瘍の手術治療を行っています。最も多い”040040xx97x00x”群は、原発性、転移性を問わず手術治療を行った肺の悪性腫瘍です。2023年度は原発性肺がんと転移性肺がんの比は、およそ4:1です。DPCでは入院期間Ⅱは10日までですが、当科での平均在院日数は全国平均よりも短く、約9日です。肺悪性腫瘍手術においても、侵襲の少ない胸腔鏡下手術を適応することと、クリニカルパスを用いて入院中の経過を定型化することで、短い入院期間、早期社会復帰を目指しています。ロボット支援下の胸腔鏡下肺悪性手術、胸腔鏡下縦隔腫瘍摘出術を保険診療で実施しています。より安全で安心な、そして安楽な手術を提供できるように努めています。総合病院として、悪性腫瘍のみならず、気胸などの良性疾患、外傷性血気胸などの救急疾患も対象としています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 46 3.00 2.75 0.00% 3.04 01

02

140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 25 3.00 2.97 0.00% 2.12 01

02
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病 なし 14 3.07 6.86 0.00% 3.07 02
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 10 5.10 5.29 0.00% 10.10
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 7.63 - -
小児外科疾患は多岐にわたっており、扱う疾患の種類は60以上にのぼります。そのうち日常的に多い疾患は、鼠径ヘルニア(精索水瘤、陰のう水腫も術式は同じ)、停留精巣、臍ヘルニア、急性虫垂炎などで、これらの疾患で全体のおよそ半数を占めます。小児外科手術の高難度手術のほとんどは稀少例であり、上位疾患には挙がりませんが、当センターでは多岐にわたる高難度手術、新生児外科手術も安全に施行しています。
なお、上記疾患はあくまでもDPC分類に基づくデータであり、日本小児外科学会やNational Clinical Data (NCD)が採用している分類とは異なるため、当センター小児外科ホームページで公表している数値とは差異があることを申し添えます。
術前を含めた入院日数は、鼠径ヘルニア根治術、臍ヘルニア根治術、精巣固定術の方は2泊3日、急性虫垂炎の方は病状により5日~約1週間とさせていただいております。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 224 2.29 2.54 0.00% 73.64 01
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 115 3.62 4.46 0.00% 73.50 02
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 49 4.76 4.82 0.00% 67.57 03
020220xx01xxx0 緑内障 緑内障手術 濾過手術 片眼 39 6.44 8.70 0.00% 63.74 03
020280xx97xxxx 角膜の障害 手術あり 12 11.92 8.86 0.00% 74.17
白内障手術を含め、眼科手術は可能な限り日帰りまたは短期入院での治療に取り組んでいます。白内障手術は患者さんの状態に応じて、片眼入院や両眼入院どちらでも対応しています。緑内障手術は、濾過手術では術後管理の対応もあり、全国平均より入院期間が長い傾向でありますが、それ以外の緑内障手術では低侵襲化に伴い短期間の入院で終わるようになっています。角膜移植術は難易度の高い症例を扱っており、在院期間は全国平均よりも長い傾向になっています。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 82 6.21 7.53 0.00% 19.94 01
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 48 4.21 6.02 0.00% 55.54 02
030430xx97xxxx 滲出性中耳炎、耳管炎、耳管閉塞 手術あり 23 2.48 3.23 0.00% 10.22 03
030320xxxxxxxx 鼻中隔弯曲症 20 3.80 5.80 0.00% 43.15 02
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 16 4.94 5.51 0.00% 43.50
2023年度は中耳手術として鼓室形成術26例、乳突洞削開9例、アブミ骨手術1例、鼓膜形成術14例を手術室で行いました。局所麻酔、全身麻酔ともに3~4日の入院です。リティンパによる鼓膜形成術は外来で施行しているため、ここに含まれません。鼻副鼻腔手術は、鼻内内視鏡手99例、draf3例、外鼻形術術3例,後鼻神経切断術24例を行いました。4~5日の入院で行っています。扁桃摘出(+アデノイド切除)は、睡眠時無呼吸症候群と慢性扁桃炎に対して行っており、約1週間の入院です。小児で滲出性中耳炎または反復性中耳炎で鼓膜チューブ留置が必要な場合(かつ外来でのチューブ留置が困難な症例)は全身麻酔下に鼓膜チューブ留置を施行しています。術前日からの入院で、入院期間は2日間となっています。
突発性難聴に対しては聴力低下が高度な症例に対しては鼓室内ステロイド注入を併用して行っています。
放射線科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 29 2.52 4.51 3.45% 76.00
050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 11 7.36 5.21 9.09% 68.82
100180xx991xxx 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 10 2.10 3.80 0.00% 54.30
130030xx99x0xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 なし - - 9.08 - -
050170xx03001x 閉塞性動脈疾患 動脈塞栓除去術 その他のもの(観血的なもの)等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 あり - - 9.00 - -
上記については同じ疾患であっても、併存症の存在の有無で症例数が分かれています。また、併存症が見られる場合は入院期間が長くなることがあります。
外来で充分に疾患の評価を行い、治療法を検討しています。特に下肢については、下肢閉塞性動脈硬化症に対して、糖尿病内科、腎臓内科、皮膚科と協力してフットケアを行っています。そのため、糖尿病や慢性腎不全に合併している患者さんが多くなっています。当センター内外の血管外科医とのカンファレンスを定期的に行い、血管内治療に固執することなく治療方針を決めております。これらのことが結果的に在院日数も短く、患者さんに負担をかけない医療へと繋がっているものと考えております。閉鎖性動脈疾患、動脈塞栓除去の患者さんに対するカテーテル治療は、下肢動脈のみならず、上肢、鎖骨下動脈などの頭頚部、上腸間膜動脈、腎動脈などの内臓動脈、大動脈と多岐にわたり診療しています。また、乳び胸などリンパ管疾患に対しての治療も行っています。
神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010110xxxxx4xx 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2 4あり 19 21.26 16.97 31.58% 44.32
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 6.07 7.20 0.00% 58.80
010160xx99x00x パーキンソン病 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 15 17.47 18.24 6.67% 76.80
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2 なし 15歳以上 13 13.85 16.56 0.00% 58.62
010090xxxxx0xx 多発性硬化症 手術・処置等2 なし - - 13.69 - -
神経内科の入院患者は多岐にわたりますが、2023年度は救急疾患のてんかんや髄膜炎、ギラン・バレー症候群や神経免疫疾患での入院が比較的多くみられました。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 17 12.00 12.88 0.00% 61.76
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 11 12.18 7.22 0.00% 85.00
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 - - 9.29 - -
2023年度に最も入院患者の多かったDPC名称は、前年度と同じ膿皮症でした。入院となった下肢の蜂窩織炎のほとんどは、高齢者か糖尿病や血液疾患などの基礎疾患を有していました。次に多かったのは、基底細胞がんやボーエン病、有棘細胞癌などの皮膚悪性腫瘍の入院患者でした。帯状疱疹の入院患者は、汎発疹を伴っていたもの、髄膜炎を合併していた重症例がほとんどでした。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 162 2.00 2.44 0.00% 70.24 02
110420xx02xxxx 水腎症等 経尿道的尿管ステント留置術等 43 3.23 4.02 2.33% 65.26
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 38 10.58 11.19 0.00% 70.76 03
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 33 7.03 6.85 0.00% 71.88 04
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 23 5.65 5.22 0.00% 60.35 01
泌尿器科は、腎、尿管、膀胱、前立腺、精巣などの悪性疾患、前立腺肥大症、尿路結石、排尿障害などに対する診断と治療にあたっています。
当センターでは、1年間に約180件の前立腺針生検を1泊2日の入院で行っており、そのうち約5割に前立腺癌が見つかります。さらにその約半数に対してロボット支援腹腔鏡下前立腺摘除術を行っており、当該手術の平均在院日数は全国平均より約1日短いです。T1-2前立腺癌の場合のRM0(切除断端陰性=根治)率は約95%です。様々な原因で尿管狭窄を来した患者さんには経尿道的尿管ステント留置術を積極的に行い、閉塞性腎不全の発症を回避しています。表在性膀胱腫瘍に対して経尿道的内視鏡切除術を行っており、平均在院日数は全国平均とほぼ同等です。
産科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 176 9.67 9.34 0.00% 35.90
120260x001xxxx 分娩の異常(分娩時出血量2000ml未満) 子宮破裂手術等 102 10.33 9.31 0.00% 35.59
120170x199xxxx 早産、切迫早産(妊娠週数34週未満) 手術なし 90 18.66 20.10 3.33% 33.81
120160xx01xxxx 妊娠高血圧症候群関連疾患 子宮破裂手術等 43 14.07 12.89 0.00% 36.56
120140xxxxxxxx 流産 40 2.18 2.43 0.00% 35.75
妊産婦の主体的なお産を支援し、医師・助産師がチームで協働して安全で質の高い周産期医療を実践しています。上位5コードの症例では、妊娠分娩の経過において発生するさまざまな異常や合併症に対応した分娩管理や処置を行っています。いずれも平均在院日数は全国平均と同程度であり、治療終了後に順調に退院となっています。転院率は低く、切迫早産等で治療後に紹介元施設に戻る例以外は転院が必要になることはなく、当センターにてほぼすべての治療が完結しています。当センターにおける妊産婦の半数は35歳以上であるため平均年齢は35歳前後と高くなっていますが早産・切迫早産については他院からの搬送例が多く含まれておりやや年齢が低くなっています。なお、正常分娩は健康保険の適用とならずDPCの対象外であるため、上記には含まれていません。2023年における妊娠22週以降の分娩件数は1415件となっています。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 126 5.73 5.93 0.00% 44.04 01

02
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 64 5.55 6.00 0.00% 42.02 03

04
120220xx01xxxx 女性性器のポリープ 子宮全摘術等 35 2.03 2.78 0.00% 42.26
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし 34 2.24 2.96 0.00% 44.47 01

03

04
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし 26 2.96 4.05 0.00% 62.88
婦人科腫瘍、生殖医療、女性ヘルスケアのすべての領域に対応しています。そのうち入院加療を必要とする婦人科疾患では、上位2コードにある子宮及び卵巣の良性腫瘍の治療例を中心に多く扱っており、主として内視鏡手術により対応しています。平均在院日数は全国平均と比べてやや短く、侵襲の少ない治療により、順調に経過し早めの退院となっています。転院率は0%で当センターですべて治療が完結しています。上位4疾患では平均年齢は40歳台ですが、できるだけ妊孕性温存にも配慮した手術方法を選択できるようにしています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし 93 11.86 18.65 10.75% 73.84
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 92 4.74 8.33 0.00% 71.78
040040xx99200x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 65 2.78 2.98 0.00% 70.69
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 24 17.17 20.60 8.33% 89.13
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 23 2.04 2.03 0.00% 56.78
当センターでは、肺がん、間質性肺炎、重症喘息などのあらゆる難治性呼吸器疾患に対して積極的に取り組んでいます。遺伝子パネル検査、クライオパイオプシーなど最先端の医療機器を用いて、各診療科と密接に連携をとりながら診療を行っています。今後は、非結核性抗酸菌症のパスも新たに開設予定です。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 190 4.68 4.26 0.00% 71.51 01
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 158 3.27 3.05 0.00% 70.92
050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 84 3.90 4.57 0.00% 63.54 03
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 40 10.55 9.77 5.00% 79.38
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 37 16.35 17.38 5.41% 85.00
当センターでは冠動脈インターベンションの治療実績が最も多く、急性冠症候群や複数病変に対するカテーテル治療を行うことも多いため、平均在院日数はやや長くなっています。診断カテーテル検査のみの入院は2~3日、1回の治療のみの入院は3~4日としています。外来でのFFR-CTを利用することで、診断カテーテル検査を省略し、入院回数低減に努めています。2023年のカテーテル治療における冠動脈形成術は190症例でした。常時、急性心筋梗塞・急性冠症候群などに対応しており、心筋梗塞の入院治療は平均10日前後ですが、症例の重症度により大きく異なります。不整脈に対するカテーテルアブレーション治療は84症例でした。カテーテルアブレーション治療では患者さんのニーズに合わせて3~4日の短期入院とし、合併症も非常に少ないことから全国平均より在院日数が短くなっています。不整脈や心不全に対するデバイス治療として、ペースメーカ植込み術、植込み型除細動器、心臓再同期療法(両室ペーシング)なども施行しております。リードレスペースメーカ、皮下植込み型除細動器など、患者さんの状態に応じた適切なデバイス選択を行っています。また失神や潜因性脳梗塞に対する植込み型心臓モニタを積極的に導入しています。昨今、高齢者の心不全が増加しており、入院によるADL低下、QOL低下、退院後の生活が課題となっています。熟練した医師、看護師、技師、理学療法士をはじめとする多職種チームで入院、検査、治療をサポートし、早期退院のみならず、退院後のADL・QOLを保持する包括的な努力をしています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9902xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 51 4.43 8.09 0.00% 70.22
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 48 4.38 11.49 0.00% 57.60
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 32 11.81 13.52 9.38% 70.97
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 30 2.80 4.51 0.00% 71.80
110280xx9901xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 29 9.76 13.81 0.00% 66.07
当科では、腎疾患患者さんの急性期から慢性期まで幅広く診療を行っており、当センター内の他診療科との連携も緊密に行い、全ての疾患に対応が可能です。腎疾患は慢性疾患であることから病院外での疾病ライフの支援の視点が重要であるため、医師のみならず、多職種協働でのチーム医療と地域医療連携を重視し、地域一体型での腎疾患ライフの支援を行っております。特に、末期腎不全の腎代替療法においては注力しており、連続携行式腹膜灌流(PD)、血液透析(HD)及び腎臓移植の全ての療法を提供できる体制を整備しています。DPC上最も多い症例は末期腎不全の連続携行式腹膜灌流です。腹膜平衡試験及びそれに同期した教育入院をしており、クリ二カルパス化しているため入院期間が短期となっています。末期腎不全、IgA腎症、腎盂腎炎などの疾患に対しては地域と連携して継続治療としており、入院期間は比較的短くなっています。腎生検も同様にクリ二カルパス化しているため短期入院となっています。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 41 2.15 3.62 9.76% 29.15
161060xx99x0xx 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2 なし 20 2.50 2.86 5.00% 38.85
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 4.92 9.88 15.38% 63.38
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 13 8.85 8.38 7.69% 55.62
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 10 13.20 20.60 30.00% 85.80
当科の診療は「救命救急センター」で施される様々な救急疾患の中で病態の重症度を反映した「緊急度(時間的尺度で治療介入を要する病態)」により、疾患ではなく、表出される「症候・病態」を優先した診療であるのが特徴です。それゆえ、救急科とその病態をなす臓器別疾患の専門診療科との協働により診断した疾患を専門診療へと連携するのが特徴となっています。また、救急科の診療は、複数専門診療科が関わる複雑病態や多発外傷などの集中治療を含めた急性期診療であることも特徴となっています。そういった意味で当救命救急センターで行われているそれぞれの重篤疾患の総数(厚生労働省による「救命救急センター充実度評価」)が当救命救急センターならびに当科の実績として明確に提示できるものと考えています。
総括すると、当センターの救命救急センター(救急科)は重篤な病態を呈した患者さんを受け入れて病態の改善とその原因疾患の診断に注視して集中的な治療を行い、それぞれの疾患の専門診療は診療各科の専門性に繋がる継続的な診療を提供することで患者さんの命を守り、最終的な社会復帰を目指しています。当センターですべての診療が完結するわけではなく、当センターならではの専門診療の提供をもとに、患者さんの居住する地域の医療機関と連携して今後の医療のあるべき姿を構築して患者さんの安全を確立できるよう努力しております。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術なし 手術・処置等2 5あり 81 7.53 16.12 3.70% 66.95
100370xx99x0xx アミロイドーシス 手術なし 手術・処置等2 なし 60 6.67 10.64 0.00% 69.72
130040xx97x0xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術あり 手術・処置等2 なし 54 5.52 11.54 0.00% 60.07
130040xx97x40x 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術あり 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 52 25.50 31.24 5.77% 61.27
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 29 34.66 36.19 3.45% 53.28
血液内科では常時40~55名が入院されており、多くは多発性骨髄腫、ALアミロイドーシス、悪性リンパ腫、急性白血病の患者さんです。当センターは、特に多発性骨髄腫とALアミロイドーシスの患者さんが全国から受診する全国有数の基幹病院で、それらの症例数が多いのが特徴です。
多発性骨髄腫に対する新規薬剤については、2015~2023年の8年間で9種類の新薬が承認され、現在11種類が使用可能です。当科では、これらの新規薬剤の開発に繋がる多くの臨床試験を行いました。CAR-T療法も2022年に承認され、当科においても使用が可能になりました。現在も将来の有望な新規薬剤・治療法(初発のCAR-T療法や二重特異性抗体等)に関する多くの臨床治験を実施しています。
多発性骨髄腫に対する新規薬剤が開発される一方で、若年者に対しては自家末梢血幹細胞移植を併用した治療法が推奨されています。自家末梢血幹細胞移植とは、あらかじめ自分の造血幹細胞を採取し、大量の抗がん剤を投与した後に保存しておいた造血幹細胞を点滴で戻す治療法です。一般的には2回分の自家末梢血管細胞移植を行えるだけの幹細胞を採取し保存します。当センターの自家末梢血幹細胞移植及び同種造血幹細胞移植の合計症例数は、2015年:45例、2016年:50例、2017年:80例、2018年:67例、2019年68例、2020年67例、2021年55例、2022年54例、2023年64例です。
自家末梢血幹細胞移植の症例数は、2014年:37例、2015年:37例、2016年:32例、2017年:50例、2018年:49例、2019年49例、2020年55例、2021年43例、2022年50例で、9年間全国1位の実績があります(日本における造血幹細胞移植・全国調査報告書)。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 120 3.20 2.61 0.00% 69.82 02
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 40 8.13 7.58 2.50% 64.28
060050xx030xxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)等 手術・処置等1 なし 37 6.51 7.38 0.00% 75.27 01
060035xx04xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 36 7.50 6.45 0.00% 69.28 03
060050xx97x0xx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 33 6.61 10.24 3.03% 76.91
消化管領域では癌の内視鏡治療(内視鏡的粘膜切除術:EMR、内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)を中心にピロリ菌感染胃炎をはじめ、消化管疾患全般の診断・治療、小腸ダブルバルーン内視鏡や小腸カプセル内視鏡を用いた小腸疾患の診療も行っています。肝領域では、肝癌(肝細胞癌・転移性肝癌)に対する経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈塞栓術(TAE)、化学療法、サイバーナイフ治療、動注化学療法等を行っています。ウイルス性肝炎(B型・C型)に対して抗ウイルス剤による治療も行っています。また、近年注目されている脂肪肝関連の疾患の診療にも力を入れ、肝硬度の測定をはじめ、肝線維化の進行度の診断を行い、適切な治療を導入しています。
胆膵領域では、総胆管結石、胆管炎胆嚢炎、膵炎・膵がんの治療、閉塞性黄疸や悪性消化管狭窄のステント治療等、低侵襲で最先端の治療を行っています。研究分野では、肝細胞癌治療、胆膵悪性腫瘍治療、消化管ポリープ、逆流性食道炎などについて、多施設共同研究を含め研究を行っています。患者数は肝臓分野はやや減少傾向、その他は変化ありません。平均在院日数はクリニカルパス使用等の工夫により全国平均より短縮しています。悪性腫瘍の治療(抗癌剤・ラジオ波・血管内治療)は当センターで完結することが多い一方、胆嚢・胆管結石・膵炎等の良性疾患や感染症は当センターで治療後、紹介元へ逆紹介をしています。年齢は年々高齢化傾向となっています。
胃・食道外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 29 16.90 18.01 3.45% 74.69 01
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 25 3.92 4.55 0.00% 67.72 02
060150xx99xxxx 虫垂炎 手術なし 12 5.17 8.02 0.00% 38.00
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 12 4.58 5.29 0.00% 46.00
060010xx02xx0x 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 食道悪性腫瘍手術(消化管再建手術を併施するもの) 頸部、胸部、腹部の操作によるもの等 定義副傷病 なし - - 29.25 - -
胃食道外科では、主に食道癌、胃癌を扱っていますが、胃粘膜下腫瘍(GISTなど)や食道裂孔ヘルニア、アカラシアなどの良性疾患も対象として扱っています。地域がん診療連携拠点病院に指定されており、高度な医療の提供を心掛けております。食道癌治療は、術前化学療法や化学放射線療法など多岐にわたるため手術以外の入院も多くみられます。手術は、胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行っています。胃癌治療は、進行がんに対しては開腹手術を基本としていますが、腹腔鏡手術の適応範囲は広がっています。クリニカルパスを用いて周術期管理を行っています。切除不能再発進行食道癌・胃癌に対しては、ガイドラインに則り化学療法を行っています。近年手術患者さんの高齢化が進んでいますが、平均在院日数は全国平均より短い傾向にあります。救急医療にも力を入れているため、虫垂炎に対する緊急手術も行います。鼠径ヘルニアに対しては、腹腔鏡手術も取り入れています。安全性と根治性のバランスを考え、治療後の早期社会復帰ができるよう日々心がけています。
肝胆膵・移植外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
06007xxx9906xx 膵臓、脾臓の腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 6あり 67 3.45 5.15 0.00% 71.22
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 48 9.19 6.87 0.00% 61.94 01
060060xx99030x 胆嚢、肝外胆管の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 3あり 定義副傷病 なし 42 2.62 5.37 0.00% 77.43
060340xx99x0xx 胆管(肝内外)結石、胆管炎 手術なし 手術・処置等2 なし 35 7.57 9.55 2.86% 77.66
060050xx02xxxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 23 31.17 14.28 0.00% 68.87
肝胆膵・移植外科では、主に肝臓、胆嚢・胆管、膵臓の疾患に対する診療を行っています。悪性腫瘍に対する手術治療がその中心ですが、手術適応を判断するための精査、黄疸処置などの術前管理、術前処置としての肝動脈化学塞栓術や門脈塞栓術などの処置(手術)等を入院にて行う場合もあります。手術困難とされた場合も、化学療法や放射線療法などを行っています。また、胆嚢結石をはじめとする良性疾患に対する診断・治療も行っています。悪性疾患に対して行われる手術の中では、肝腫瘍に対して肝切除を行った患者数が一番多く、上記の5番目に挙げられています。当センターで行われている肝切除は、通常よりも切除箇所が多かったり、切除方法が複雑であったりする場合が多いため、平均在院日数は全国平均よりも長くなっています。上記の表上では、1番目および3番目はそれぞれ膵癌及び胆道癌に対する化学療法関連の入院を示しています。上記表の2番目は胆嚢結石・胆管結石に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術を示しています。内視鏡的処置を手術前後で行うこともあるため、入院期間は全国平均より長くなっています。上記4番目は胆管結石等の良性疾患に対する内視鏡的処置等の入院を示しています。
糖尿病内分泌科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 85 11.95 13.99 1.18% 68.36
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 14 15.57 13.15 0.00% 62.21
100180xx990x0x 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 14 5.71 6.47 0.00% 52.21
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 なし 12 7.83 10.66 0.00% 66.75
100250xx99x21x 下垂体機能低下症 手術なし 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 あり 11 11.73 7.56 0.00% 63.27
糖尿病の治療ではインスリン導入や緊急状態での治療など、当センターの役割に即した診療に力を入れています。また、原発性アルドステロン症をはじめとする副腎疾患や下垂体疾患などの専門的知識を要する内分泌疾患の症例も多く診療しています。
大腸肛門外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 73 4.41 4.55 0.00% 68.97 01
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 49 2.59 2.61 0.00% 67.39 02
060035xx010x0x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 35 13.23 15.12 0.00% 71.86 03
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 27 6.93 8.95 3.70% 70.78
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 21 4.76 7.58 4.76% 69.86
大腸肛門外科では、大腸がんの診断から治療までを主体に診療を行っています。大腸がんの治療に関する当科の特長は、腹腔境下手術をはじめとする低侵襲治療と特に直腸がんに対する肛門温存を含めた機能温存手術を、その根治性を損なうことなく、かつ安全に施行していることです。がんの進行度によっては、手術単独でなく、化学療法、放射線療法併用による集学的治療にも取り組んでおり、がんの予後改善を目指しています。また、当科では大腸がんの診断から治療、そして終末期医療に至るまで、放射線科、化学療法科、緩和ケア科など関係診療科との連携を積極的にはかり、患者さん個々の病状や希望に応じて最適な医療を提供できるようにしています。再発大腸がんに関しても専門的知識と技術に基づき積極的切除を目指し、切除不能な場合でも集学的治療によりできる限りの対応を行なっています。このように、大腸がんの患者さんに対して、手術をはじめとしたトータルケアを実践していますので、安心・信頼して受診していただけます。大腸がん以外の疾患に関しても、お一人お一人の患者さんにとって何が最適な治療であるかを考えた医療を提供しています。
膠原病・アレルギー内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 19 16.21 14.23 5.26% 62.11
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし - - 13.52 - -
040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術・処置等2 なし - - 18.65 - -
070560xx99x70x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 7あり 定義副傷病 なし - 18.46 - -
膠原病・アレルギー内科では、関節リウマチなどの関節炎疾患、全身性エリテマトーデスなどの膠原病やANCA関連血管炎などの血管炎症候群を対象として、検査・診断と薬剤による治療を行っています。ステロイド治療の投与量や投与期間の適正化を行うことで在院日数を短くするように努めていますが、入院患者においては難治性あるいは治療抵抗性の症例の比率が高いことが影響して平均在院日数は全国平均を超えています。難治例では免疫グロブリン大量療法を要する症例もありました。その他では腎盂炎、器質化肺炎による入院が増加傾向です。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 67 4.30 5.64 0.00% 58.04 01
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 64 10.31 9.88 0.00% 61.00 01
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 13 3.69 4.00 0.00% 43.15 01
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 12 3.08 3.51 0.00% 51.92
当センターでは、クリニカルパスを①部分切除術のみまたは部分切除術+センチネルリンパ節生検は入院期間4日間、②乳房切除術または郭清手術は入院期間9日間で作成しています。術式にかかわらず、手術の次の日の夕方には日常生活を普通に送れるようになりますが、手術によって術後の創部に溜まるリンパ液の量が異なるため、入院期間を4日または9日に設定しています。5cm大未満の良性腫瘍の場合は、入院期間は3日間(手術前日入院、手術、手術翌日退院)です。
新生児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 152 6.18 6.07 7.89% 0.00
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 1あり 115 9.25 10.34 1.74% 0.00
140010x299x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 58 10.09 11.01 5.17% 0.00
140010x299x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 1あり 36 28.25 21.12 0.00% 0.00
140010x299x2xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(1500g以上2500g未満) 手術なし 手術・処置等2 2あり 33 24.64 28.09 0.00% 0.00
当センターは出生数が比較的多く、比例して新生児科入院数や2,500g未満の低出生体重児も多いものとなっています。一方、院外出生の有症状児も広く受け入れており、治療後可能な限り依頼元の医療施設に転院もしくは退院の形でお返ししているため転院率が高い結果となっています。出生体重2,500g以上での入院の多くは高ビリルビン血症や一過性多呼吸等の呼吸障害です。上記に掲載されている1500g以上2500g未満の低出生体重児以外にも、2023年の極低出生体重児(出生体重1,500g未満)の入院数は43、このうち1,000g未満の超低出生体重児は24でした。
緩和ケア科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 11 27.00 13.59 0.00% 77.36
060050xx99000x 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 8.22 - -
070040xx99x2xx 骨の悪性腫瘍(脊椎を除く。) 手術なし 手術・処置等2 2あり - - 20.05 - -
060020xx9900xx 胃の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 11.02 - -
130040xx97x0xx 多発性骨髄腫、免疫系悪性新生物 手術あり 手術・処置等2 なし - - 11.54 - -
当センターは区西南部(渋谷区、世田谷区、目黒区)を中心とした、緩和ケア病棟のある地域がん診療連携拠点病院であり、緩和ケア科は「緩和ケアチーム」、「緩和ケア病棟」、「緩和ケア外来」を通じて緩和ケアの提供を行っています。
緩和ケアチームでは、がん性疼痛のほか、呼吸困難、倦怠感、悪心・嘔吐、食欲不振、気持ちの落ち込みやイライラ、今後の療養についての相談など、患者やご家族の問題に幅広く対応しています。また、緩和ケア病棟、一般病棟の入院にかかわらず必要に応じて放射線療法科、サイバーナイフ科、整形外科、歯科などの専門領域とも積極的に連携しています。
緩和ケア病棟では、医師や看護師、薬剤師、公認心理師による心身のケアに加えて、音楽療法士によるケアやボランティアによるアロママッサージなども取り入れています。 地域をサポートする緩和ケア病棟を目指し、アクセスの簡便化や、自宅退院を目指すための迅速な症状緩和、緊急入院への対応に取り組んでいます。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 44 - - 25 10 32 1 8
大腸癌 45 46 24 38 33 139 1 8
乳癌 64 46 - - 16 1 8
肺癌 57 10 32 170 26 141 1 8
肝癌 - 10 11 - - 121 1 8,7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当センターにおける“がん治療”とは“がん”でなく“がん患者さん”を対象とした治療を心がけることにあります。 “がん”を治療する過程で発症または、状態が悪くなったがん以外の病気(心臓病や糖尿病など)についても、全診療科が共同して“がん患者さん”の治療にあたります。 当センターは、「地域がん診療連携拠点病院」として地域医療機関よりのStageに係わらず多くのがん紹介患者を受け入れるだけでなく、自施設の人間ドックを早期発見されたがん患者さんを受け入れるなど、様々なStageのがん患者さんに対して専門的ながん治療を行っております。
 また、緩和ケア病棟に限定せず、がん治療早期からの緩和ケア医療の相談に対応しております。 初発については、StageⅠ~Ⅲまでは手術を行う患者さんが多く、StageⅣに進むにつれて化学療法や放射線照射などの治療を行う患者さんが多くなります。
 ロボット支援手術や内視鏡的治療、腹腔鏡下手術、胸腔鏡下手術などの負担が少ない治療法、化学療法と放射線照射の組み合わせ、あるいはサイバーナイフ治療などの手術以外の選択肢などから、がん患者さんごとの病状や要望を伺いながら治療方法を選択していきます。
 再発について、胃がん、大腸がん、肺がんの3つは化学療法目的に再入院している患者さんが多く、肝がんについては「肝動脈塞栓術(TAE)」「肝動脈化学塞栓術(TACE)」「肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(RFA)」を施行している患者さんが多いです。
 StageⅢ~Ⅳや再発症例で他施設では治療が難しい症例についても、当センターでは積極的な治療に取り組んでいます。 Stage不明については、入院期間中に検査結果が出ない場合や、入院中の情報だけではStageが判別できない場合が該当します。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 23 10.39 54.17
中等症 73 14.19 76.49
重症 18 19.72 82.67
超重症 - - -
不明
市中肺炎とは、通常の生活環境で発症する肺炎のことを指します。つまり、病院や医療施設での感染ではなく、家庭や職場、学校などの市中環境で発症する肺炎です。主に細菌やウイルスが原因で発症し、一般的には肺炎球菌やインフルエンザウイルスが主な病原体となります。当センターでは、中等症の患者さんが最も多く、重症度が上がるごとに治療期間を要し、また中等症から重症になるほど高齢の患者さんが多くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 106 16.42 73.72 20.16%
その他 23 16.17 72.96 5.43%
脳卒中で入院となった患者の約55%が脳梗塞でした。専ら脳卒中の診断および治療を担当する医師を配置し、超急性期脳卒中の治療として、血栓溶解療法(アルテプラーゼ静注療法)やカテーテル治療(脳血栓回収術)が常に可能で、脳外科的処置が迅速に行える体制が整備されています。高齢者の占める割合が多く、集中治療と脳卒中急性期リハビリテーションの励行に努めて後遺症の軽減を図り、回復期リハビリテーション病院への円滑な転院を調整しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード

【項目の説明】 診療科別に手術件数の多い順に3術式について、患者数、術前日数、術後 日数、転院率、平均年齢を示しています。 入院中に行った手術のうち、1番最初に施行した手術のみをカウントしています。

【定義】 手術術式点数表コードによる集計でありますが、輸血関連(K920$)、創傷処理等の軽微な手術を除外しています。

小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等) その他のもの 等 16 0.94 2.19 0.00% 5.56
K570-3 経皮的肺動脈形成術 16 1.00 2.19 0.00% 4.25
K5762 心室中隔欠損閉鎖術 肺動脈絞扼術後肺動脈形成を伴うもの 等 - - - - -
K5702 肺動脈狭窄症手術(右室流出路形成又は肺動脈形成を伴う) 等 - - - - -
K5862 単心室症又は三尖弁閉鎖症手術 フォンタン手術 等 - - - - -
当センターには出生前から先天性心疾患を疑われ入院になる症例や、他院で出生後に先天性心疾患を疑われて入院になる症例があります。出生後は診断・管理そして治療まで一連の対応を、新生児科や心臓血管外科と協力して行っています。複雑な先天性心疾患症例の取り扱いが多く、心臓カテーテル検査は年間150件実施していますが、1歳未満の検査が半数を超え、3分の1の症例ではカテーテル治療を行っています。また、手術症例は周術期より小児科が治療に関わり、早期の退院を目指した術後管理を行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 等 140 1.74 15.29 20.00% 67.98 01
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方椎体固定 等 101 2.74 18.51 21.78% 71.66 02
K1425 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓切除 等 80 1.75 15.90 22.50% 71.90 02
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 等 79 1.54 15.57 39.24% 67.63
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方又は後側方固定 等 71 2.80 21.41 39.44% 72.03 02
術式では、脊椎固定術、椎弓形成術、人工関節置換術が主なものになっています。患者の平均年齢はいずれも70才前後ですが、短期の入院で自宅退院、早期社会復帰が実現されている割合が高くなっています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 等 36 0.31 8.11 11.11% 74.31 01
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 等 32 4.00 18.16 12.50% 60.16
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭)(脳内) 等 21 0.43 36.67 61.90% 67.33
K1781 脳血管内手術 1箇所 等 21 0.67 11.62 4.76% 57.62
K6101 動脈形成術、吻合術(頭蓋内動脈) 等 18 1.72 15.67 11.11% 59.44
脳神経外科の特徴としてはサイバーナイフによる脳腫瘍治療に積極的に取り組んでいることを反映して、悪性・良性ともに脳腫瘍患者が集まり、開頭腫瘍摘出術の件数が多くなっています。また低侵襲治療の実践を反映して、開頭や開創をせずに血管内から動脈瘤や血管狭窄を治療する、血管内手術、経皮的頚動脈ステント留置術なども増えています。一方、血管内アプローチでは治療困難な動脈瘤、危険な頚動脈狭窄に対して、最小開頭・小切開による脳動脈瘤頚部クリッピング術や頚動脈内膜剥離術、脳血管吻合術なども積極的に行っています。また当科では救急・脳卒中医療への積極的な取り組みにより、緊急開頭による頭蓋内血腫除去術、脳虚血性疾患に対する血管内治療(血栓回収や動脈形成)、脳動脈吻合術なども表の順位に挙がる20例に及ばないものの多数行っています。慢性硬膜下血腫は地域の疾患罹患率を反映し、どの医療機関でも手術件数が多い傾向となる疾患です。さらに当院の特徴として、新生児や小児の疾病や奇形疾患に対する頭部・脊髄手術を多数行っています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 等 30 3.60 3.13 0.00% 35.27 01
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 25 1.88 4.72 0.00% 61.28 01
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 等 22 1.23 7.36 4.55% 66.64 01
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 - - - - - 01
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除 等 - - - - - 01
当科では、肺や縦隔の腫瘍の手術治療を担当しています。2023年度は、134件の手術を行いました。その中で最も多い手術は、原発性あるいは転移性などの肺悪性腫瘍手術です。原発性、転移性にかかわらず、侵襲の少ない胸腔鏡下手術で行っています。ロボット支援胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術も2020年4月より保険診療として実施しております。また、高齢の方や低肺機能の方には、肺機能を温存するために肺部分切除や区域切除術を適応しています。手術入院の方には手術に必要な検査や診察を外来通院で済ませていただき、手術の前日入院、術後1週間で退院することを目標としています。入院手術にあたっては、患者用パス「呼吸器の手術」を用いて、手術前、手術後の入院経過を分かりやすく説明しています。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 42 1.00 1.00 0.00% 3.31 01

02
K836 停留精巣固定術 24 1.00 1.00 0.00% 2.17 01

02
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア 14 1.00 1.07 0.00% 3.07 01

02
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 10 0.50 3.60 0.00% 10.10
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの 等 - - - - -
小児外科疾患は多岐にわたっており、扱う疾患の種類は60以上にのぼります。そのうち日常的に多い疾患は、鼠径ヘルニア(精索水瘤、陰のう水腫も術式は同じ)、停留精巣、臍ヘルニア、急性虫垂炎などであり、これらの疾患で全体のおよそ半数を占めます。小児外科手術の高難度手術のほとんどは稀少例であり、上位疾患には挙がりませんが、当センターでは多岐にわたる高難度手術、新生児外科手術も安全に施行しています。
なお、上記疾患はあくまでもDPC分類に基づくデータであり、日本小児外科学会やNational Clinical Data (NCD)が採用している分類とは異なるため、当センター小児外科ホームページで公表している数値とは差異があることを申し添えます。
術前を含めた入院日数は、鼠径ヘルニア根治術、臍ヘルニア根治術、精巣固定術の方は2泊3日、急性虫垂炎の方は病状により5日~約1週間とさせていただいております。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 等 334 0.08 1.66 0.00% 73.57 01

02
K2683 緑内障手術 濾過手術 等 40 0.08 5.63 0.00% 64.28 03
K2684 緑内障手術 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの) 等 31 0.00 3.58 0.00% 70.32 03
K259 角膜移植術 12 0.17 11.33 0.00% 74.50
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 等 - - - - - 04
眼科では、手術前日の入院ではなく、ほとんどの症例で手術当日に入院していただいています。白内障手術を含め、可能な限り日帰りまたは短期入院での治療に取り組んでいます。『水晶体再建術』に関しては、片眼1泊2日及び2泊3日のクリニカルパスで対応しており、入院期間も短くなっています。また、両眼白内障の手術も3泊4日でクリニカルパスで対応しています。緑内障手術は濾過手術は術後眼圧管理のこともあり、術後日数は流出路再建術よりは長い傾向にありますが、できる限り外来で対応しています。網膜・硝子体手術は、黄斑前膜の疾患が多いため術後期間が短い傾向になっています。角膜移植術は難易度に依存するため術後の対応により入院期間が長い傾向にあります。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 等 71 0.99 4.70 0.00% 21.73 01
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術IV型(汎副鼻腔手術) 等 26 1.00 2.31 0.00% 55.35 02
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 25 1.00 0.56 0.00% 6.24 04
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 等 19 0.95 2.26 0.00% 60.89 02
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 等 13 1.00 1.85 0.00% 42.38 03

04
2023年度は中耳手術として鼓室形成術26例、乳突洞削開9例、アブミ骨手術1例、鼓膜形成術14例を手術室で行いました。局所麻酔、全身麻酔ともに3~4日の入院です。リティンパによる鼓膜形成術は外来で施行しているため、ここに含まれません。鼻副鼻腔手術は、鼻内内視鏡手99例、draf3例、外鼻形術術3例,後鼻神経切断術24例を行いました。4~5日の入院で行っています。扁桃摘出(+アデノイド切除)は、睡眠時無呼吸症候群と慢性扁桃炎に対して行っており、約1週間の入院です。小児で滲出性中耳炎または反復性中耳炎で鼓膜チューブ留置が必要な場合(かつ外来でのチューブ留置が困難な症例)は全身麻酔下に鼓膜チューブ留置を施行しています。術前日からの入院で、入院期間は2日間となっています。
突発性難聴に対しては聴力低下が高度な症例に対しては鼓室内ステロイド注入を併用して行っています。
放射線科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 等 33 0.30 1.27 3.03% 73.42
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 17 0.82 4.12 5.88% 71.71
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 等 - - - - -
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 等 - - - - -
上記は放射線血管内治療科入院中の患者さんに対する治療実績です。他科入院中の患者さんについて、四肢の血管拡張術・血栓除去術、経皮的シャント拡張術・血栓除去術、血管塞栓術などで、当科が治療を行っております。大動脈ステントグラフトに関しても心臓血管外科と相互に協力して行っております。このステントグラフトに関して、昨今、エンドリークの問題も多く見受けるようになりました。外部医療機関でステントグラフト治療後の場合においても、当院でのエンドリーク治療は可能です。また、血管奇形、内臓動脈瘤(脾動脈瘤、腎動脈瘤、上腸間膜動脈瘤)、動脈解離(大動脈解離、腹腔動脈解離、上腸間膜動脈解離)、動脈閉塞性疾患(大動脈狭窄、閉塞性動脈硬化症、シャント不全)など積極的に治療しています。最近の特徴としては、近隣病院入院中の患者さんの対応が増加していることが、当科の特殊性が垣間見られる変化と思われます。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 等 14 0.71 8.93 0.00% 84.43
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6センチメートル以上12センチメートル未満 等 - - - - -
K0022 デブリードマン(100cm2以上3000cm2未満) - - - - -
K0132 分層植皮術(25cm2以上100cm2未満) - - - - -
皮膚悪性腫瘍の手術は、ボーエン病などの上皮内癌、基底細胞がんが大部分でした。デブリードメントは、糖尿病性足病変や閉塞性動脈硬化症の患者において、感染に伴う緊急切開や骨髄炎部の腐骨除去などの外科的治療の一部として実施されました。感染コントロール後に、局所陰圧閉鎖療法や分層植皮を行い完治、その後、歩行用装具などを作成して、多くは患肢を温存して退院し、社会生活に復帰することが出来ました。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 60 0.68 3.07 1.67% 63.98
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 等 49 1.16 4.96 0.00% 71.88 05
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 38 1.16 8.42 0.00% 70.76 03
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 等 31 0.97 3.42 0.00% 65.35 01
K773-51 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 原発病巣が7センチメートル以下のもの 14 2.36 8.50 0.00% 69.36 06
生体への侵襲がより少なく、術後の回復が早い、ロボット支援手術、泌尿器腹腔鏡手術に積極的に取り組んでいます。
ご参考までに2023年の当科の手術実績は、以下のとおりです。 ロボット支援根治的前立腺摘除術:42例、経尿道的膀胱腫瘍切除術:55例、膀胱全摘+尿路変向:4例(うちロボット支援:4例)、腎(尿管)悪性腫瘍手術:36例(うちロボット支援:23例、腹腔鏡下:8例)、経尿道的尿路結石破砕術(レーザーによるもの):41例、副腎摘除:3例(うち腹腔鏡下:2例)、生体腎移植:2例、ほか:510例、計693例。
産科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 等 204 5.43 7.03 0.00% 36.71 01
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 等 200 5.23 7.36 0.00% 34.85
K9091イ 流産手術 妊娠11週までの場合 手動真空吸引法によるもの 等 31 0.03 0.97 0.00% 36.19
K907 胎児外回転術 - - - - -
K9062 子宮頸管縫縮術 シロッカー法又はラッシュ法 等 - - - - - 02
上位2コードは帝王切開術であり、妊娠、分娩経過において発生する母児の異常に適切、迅速に対応し、安全な分娩のために行うものです。当センターではハイリスク妊娠・分娩症例を多く扱っていますが、合併症を有していても安全に配慮しながらできるだけ経腟分娩が行えるよう管理しています。また、流産手術においては母体に負担の少ない手動真空吸引法で施行しており、平均術前日数はほぼゼロで基本的に入院当日に手術を行っています。なお、胎児外回転術や子宮頸管縫縮術の実施数は多くありません。いずれの疾患においても平均術後日数は短く、順調に退院となっています。当センターにおける妊産婦の半数が35歳以上であることから、いずれにおいても平均年齢は35歳前後です。総合周産期母子医療センターとして高度な治療に対応できるため、転院率はゼロで自院で診療を完結しています。なお、正常分娩は健康保険の適用とならずDPCの対象外であるため、上記には含まれていません。
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 等 85 1.02 4.29 0.00% 48.06 01

02
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 等 67 1.06 3.46 0.00% 41.91 02
K872-2 腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術 38 1.00 3.87 0.00% 40.05 02
K867 子宮頸部(腟部)切除術 35 0.71 0.51 0.00% 44.89 05

06
K872-31 子宮鏡下有茎粘膜下筋腫切出術、子宮内膜ポリープ切除術 電解質溶液利用のもの 等 28 0.11 0.93 0.00% 40.54 07
上位5コードに示した手術は、いずれも身体に負担が少なく創部ができるだけ目立たないように内視鏡を用いた方法や開腹を要しない経腟的手術です。入院日数の短縮を目指し、術前準備を効率的に行い、合併症がない例では原則として前日の入院としています。平均術後日数も短く、ほとんどの例が最小限の日数で順調に退院しています。転院率は0%で当センターにて診療が完結しています。平均年齢は子宮全摘術では約50歳ですが、その他は40歳代前半でできるだけ妊孕性温存にも対応しています。手術治療においては、年齢や再発の可能性、今後の妊娠出産や日常生活復帰等について配慮し、最適な手術方法を選択しております。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 等 187 2.04 3.04 0.53% 72.01
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺、心外膜アプローチ) 等 63 2.03 2.19 0.00% 68.63 03
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 等 26 1.04 1.81 0.00% 53.81 03
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの 等 19 1.58 3.11 0.00% 72.00 01
K596 体外ペースメーキング術 15 0.67 10.80 6.67% 77.47 02
最も多い疾患は安定狭心症、不安定狭心症、心筋梗塞などの冠動脈疾患で、治療の3本柱は適切な内科治療、冠動脈形成術、冠動脈バイパス術です。循環器内科・心臓外科によるハートチームで議論し、患者さんの状態にあわせて最も適切な方法を選択、あるいは組み合わせて治療しています。最も件数の多いカテーテル治療はステント植込みによる冠動脈形成術です。1回の入院で患者さんの状態に応じ、診断カテーテル検査に引き続き冠動脈形成術を行うことや、複数回の冠動脈形成術を行うことがあります。治療適応の判定には、冠動脈内の圧力から計測する冠血流予備量比(FFR)という指標が重要視されており、これを積極的に利用しています。さらに、血管内を観察する冠動脈内超音波検査(IVUS)や光干渉断層法検査(OCT)を併用することで、適切な治療効果を上げております。外来でできるFFR-CTを利用して、診断カテーテル検査を省略することで入院回数低減に努めています。四肢、特に下肢の血管拡張術についても循環器内科・心臓外科で協力し、積極的に行っています。2023年の冠動脈形成術は187症例、四肢の血管拡張術・血栓除去術は15症例でした。不整脈、特に心房細動のカテーテルアブレーション治療について3~4日の短期入院で行っています。2023年は89症例でした。徐脈や心室不整脈、心不全に対するデバイス治療として、ペースメーカ、植込み型除細動器、心臓再同期療法(両室ペーシング)についても行っています。特に植込み型除細動器、心臓再同期療法(両室ペーシング)については一次予防が重要と考えており、早期発見、早期治療に努めています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 初回 等 36 1.56 2.69 2.78% 75.56
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 等 35 5.94 6.34 0.00% 64.49
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 28 1.57 5.36 0.00% 68.25 01
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 等 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) - - - - -
当科では、腎疾患患者さんの急性期から慢性期まで幅広く診療を行っており、当センター内の他診療科との連携も緊密に行い、全ての疾患に対応可能となっております。また、腎疾患は慢性疾患であることから病院外での疾病ライフの支援の視点が重要であるため、医師のみならず、多職種協働でのチーム医療と地域医療連携を重視し、地域一体型での腎疾患ライフの支援を行っています。特に、末期腎不全の腎代替療法に注力しており、連続携行式腹膜灌流(PD)、血液透析(HD)及び腎臓移植の全ての療法を提供できる体制を整備しております。
腹膜透析導入の際の術前・術後在院日数が比較的長い理由としては、他施設及び他診療科からの紹介が主であり、術前の連携が十分でないためと考えられます。連携の仕組みをより洗練させることにより短縮が図れること、術後日数に関しては腎臓内科での診療の効率化を行っていくことにより改善できると考えられます。
救急科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6151 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(止血術) 17 1.71 15.12 52.94% 63.71
K6021 経皮的心肺補助法(初日) - - - - -
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 - - - - -
K0133 分層植皮術(100cm2以上200cm2未満) 等 - - - - -
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) - - - - -
当科の手術手技等はすべて緊急に治療が必要なものとなります。基本的には「救命処置」の一環として行われるものばかりです。ただ、診療科特有の治療である熱傷の植皮術については準定時手術となりますが、それ以外は入院当日に実施される治療です。
血液内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(末梢血幹細胞採取)(自家移植) 36 5.56 1.64 0.00% 57.53
K921-31 末梢血単核球採取(採取のみ) 27 1.19 1.74 0.00% 60.89
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 15 17.07 11.20 6.67% 73.73
K922-2 CAR発現生T細胞投与 13 6.92 24.85 0.00% 61.08
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) - - - - -
自家末梢血幹細胞移植とは、あらかじめ自分の造血幹細胞を採取し、大量の抗がん剤を投与した後に保存しておいた造血幹細胞を静脈内に点滴で戻す治療法です。一般的には2回分の自家末梢血幹細胞移植を行えるだけの幹細胞を採取し、保存します。 当センターの血液内科病棟は専用クリーン病棟となっており、8床の個室無菌室と16床の4人部屋無菌室を整備し、造血幹細胞移植も積極的に行っております。
当センターでの症例数は、自家末梢血幹細胞移植及び同種造血幹細胞移植を合計した症例数は、2015年:45例、2016年:50例、2017年:80例、2018年:67例、2019年68例、2020年67例、2021年55例、2022年54例、2023年64例です。自家末梢血幹細胞移植の症例数は、2014年:37例、2015年:37例、2016年:32例、2017年:50例、2018年:49例、2019年49例、2020年55例、2021年43例、2022年50例と、9年間全国1位の実績があります(日本における造血幹細胞移植・全国調査報告書)。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満) 等 113 1.03 1.29 0.00% 70.53 02
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 42 1.14 5.29 0.00% 68.45 03
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 28 1.86 7.50 0.00% 71.36
K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として) 2センチメートル以内のもの その他のもの 等 25 1.96 3.40 0.00% 76.12 01
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 等 24 1.00 6.00 0.00% 69.42 04
近年大腸ポリープ・大腸癌の頻度は増加しており、早期発見のためには大腸内視鏡検査が重要となります。通常のポリープであれば内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行し、病変の大きさ等を考慮して治療を行います。早期の胃癌・大腸癌に対しても内視鏡的に治療を行っています。肝癌に関しては初期の段階から進行した段階まで、病状に応じて全ての時期に最適な治療を行うことができます。ラジオ波焼灼療法では、治療数で世界最多を誇る東大グループで治療を行ってきた術者がきめ細かく一例一例治療を行います。進行肝癌に対する化学療法も、ラジオ波焼灼療法や肝動脈塞栓術と合わせて症例毎に最適な治療を行います。サイバーナイフによる放射線治療も当センターの特徴です。難治性腹水に対するCART療法、劇症肝炎に対する血漿交換なども対応可能です。 胆道系の結石及び悪性腫瘍による閉塞性黄疸に対する超音波内視鏡検査、内視鏡的治療を積極的に行っています。 上記疾患等予定入院となるため、術前検査はほぼ2日弱と短く、術後日数もクリニカルパスの利用で短縮が図られています。転院はほとんどありません。平均年齢は高齢化傾向にあります。
胃・食道外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 20 0.95 1.95 0.00% 69.60 04
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの 12 0.42 3.17 0.00% 46.00
K6552 胃切除術 悪性腫瘍手術 等 12 9.67 13.25 8.33% 80.33 02
K654-31 腹腔鏡下胃局所切除術 内視鏡処置を併施するもの - - - - - 01
K655-22 腹腔鏡下胃切除術 悪性腫瘍手術 等 - - - - - 01
地域がん診療連携拠点病院として、高度な手術を提供できるよう心掛けています。胃切除術の約半数を腹腔鏡で行っています。食道癌に対しては全例に胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行っています。高齢者や糖尿病・透析など合併症をもつ患者さんも積極的に受け入れています。
肝胆膵・移植外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 85 2.84 5.39 0.00% 61.73 01
K6955 肝切除術 2区域切除 等 12 4.92 17.25 0.00% 61.00
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 11 0.45 2.55 0.00% 73.64
K7032 膵頭部腫瘍切除術 リンパ節・神経叢郭清等を伴う腫瘍切除術の場合又は十二指腸温存膵頭切除術の場合 等 10 7.20 64.90 0.00% 72.50
K6951イ 肝切除術 部分切除 単回の切除によるもの 等 - - - - -
肝胆膵・移植外科にて行っている治療は、肝胆膵領域の悪性疾患に対する根治手術の他に、良性疾患である胆嚢・胆管疾患に対する手術治療や悪性疾患に対する手術以外の治療(化学療法や血管内治療、放射線療法など)が挙げられます。2023年度の手術件数は前年度より増加し約200例であり、「肝切除」は約50例、「膵手術」は約25例でした。良性疾患に対する治療の中心である胆石症などに対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が上記1番目に挙がっています。術前入院期間が2.8日、術後の入院期間が5.4日となっていますが、診療パスに沿った入院の場合以外に、有症状で入院し精査の後そのまま手術を行った場合や、術後に遺残結石を内視鏡的に除去した場合を多く含んでおり、以前よりも短縮傾向にあります。上記3番目は放射線科にてCVポート挿入術を入院にて行った場合が挙げられています。2番目、4番目および5番目には悪性疾患に対する手術療法が挙げられています。なお、データ収集の過程で手術治療が細分化されているため、肝切除や膵切徐の患者数の多くが上記表に反映されておりません。膵癌に対する膵体尾部切除術は上記5番目と同数の患者さんに行っています。それ以外にも、当科で主に行われている手術治療の内、上記表に挙げられていない手術治療が少なからず存在しております。
大腸肛門外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 62 0.50 1.23 0.00% 69.31 02
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 等 62 1.55 4.42 1.61% 68.98 01
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 44 2.59 13.02 2.27% 72.25 03
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 17 0.41 2.41 0.00% 65.59 01
K719-21 腹腔鏡下結腸切除術 小範囲切除、結腸半側切除 等 15 4.93 10.20 6.67% 57.67 03
大腸肛門外科では、特に大腸がんの治療に関しては、腹腔境下手術をはじめとする低侵襲治療が診療の中心となっています。根治性を損なうことなく、かつ安全に施行することを前提として、結腸がんから直腸がんまであらゆる部位の大腸がんを適応としています。当科における腹腔鏡手術の割合は、近年、増加の一途を辿っており、この数年は結腸がん、直腸がんいずれも90%を超える症例で腹腔鏡手術を施行しています。腹腔鏡手術の適応と考えられる症例のほぼ全てに対して腹腔鏡手術を施行している状況です。合併症も少なく、平均術後日数は2週間程度となっています。
また、消化器内科だけではなく当科においても下部消化管内規鏡検査を多く施行しており、大腸ポリープが発見された場合には内視鏡下の切除も施行可能です。大きなポリープ切除に関しては出血や穿孔のリスクを考慮して入院にて施行しておりますが、1~2日で退院可能となっています。鼡径ヘルニアの外科治療は、患者さんの状態あるいはご希望に応じて、腹腔鏡や従来の方法によりヘルニア根治術を行っています。これに関しても、合併症頻度は少なく、術後2日ほどで退院となっています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 等 67 1.00 2.30 0.00% 58.04 01
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 等 35 1.00 7.71 0.00% 62.06 01
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの 25 1.24 9.24 0.00% 58.88 01
K4741 乳腺腫瘍摘出術 長径5センチメートル未満 - - - - - 01
K4742 乳腺腫瘍摘出術 長径5センチメートル以上 - - - - - 01
当センターでは、手術前日に入院となります。郭清を行うと手術範囲が広くなり、その分術後のリンパ液の量が減るのに時間がかかるため、郭清手術の時の術後入院期間が長くなっています。リンパ液を外に出すために手術中にドレーンという管を創部に入れますが、ドレーン持ち帰りで予定どおり退院できるような体制を2023年度半ばより開始しました。
新生児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 35 0.00 44.71 0.00% 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 26 0.00 70.65 0.00% 0.00
K5622 動脈管開存症手術 動脈管開存閉鎖術(直視下) 等 - - - - -
一般に、生まれてくるお子さんの10人に1人が呼吸の確立に何らかの助けが必要と言われています。新生児仮死蘇生術とは、生まれてきた児が産声を上げない、脈拍がゆっくり、筋緊張が弱いなど生命危急の状態に対し速やかに行う蘇生のことを言います。仮死第1度に対し35件の蘇生術が行われ、より重症度の高い仮死第2度に対し26件の蘇生術が行われました。当センターは新生児の外科治療が可能なことも特徴で、新生児科での入院中に小児外科、心臓血管外科、脳神経外科等の協力のもと年間40例を超える手術が行われています。体格が小さなお子さんに対する心臓手術が行われていることも特徴で、動脈管開存症を合併した低出生体重児に対し9件の閉鎖術が行われました。その他、肺血流増多を認める先天性心疾患合併児9人に対し肺動脈絞扼術が行われています。他院のNICUから手術の目的で当センターに転院されるお子さんもおり、その場合は可能な限り、術後状態が安定した時点で、依頼元の医療施設にお戻ししているため高い転院率となっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 14 0.11%
180010 敗血症 同一 31 0.24%
異なる 30 0.23%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 38 0.29%
異なる 18 0.14%
これら4つの傷病は、臨床上ゼロになりえないものの、医療の質の改善のため、少しでも発生率が低くなるように改善すべきものです。当センターは、高度急性期病院として救命救急センターや総合周産期母子医療センターを配しており、地域の最も重症な患者さんをご紹介いただいているので、基本病態に付随して播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症、手術・処置等の合併症として発症しているケース等も含まれています。手術・処置等の合併症(56件)については、術後合併症や透析に関連した併発症が多いです。いずれもすみやかに治療を行う体制が整えられています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
2,119 2,063 97.36%
当センターでは、VTE(静脈血栓塞栓症)予防のためのワーキングチームがあり、多職種でVTE予防活動を行っています。手術後の患者さんのVTE予防対策が、全部署で確実に実施できるようフローの作成を行い、実施率の向上に向けた活動を継続しています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
5,813 3,961 68.14%
血液培養は、菌血症(血液中に菌が存在する感染症)の診断に用いられる検査です。この検査により菌血症の原因となる菌を特定することができれば、最適な治療方法につなげることができます。体格が小さいために血液量の少ない小児を除き、成人では診断の精度を高めるために血液培養を2セット採取することが推奨されています。
当センターでは血液培養を実施したすべての患者さんの68.1%、成人の患者さんに限った場合には98.6%で2セットの血液培養が採取されています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1,211 1,129 93.23%
広域スペクトル抗菌薬とは多くの種類の細菌に対して有効な抗菌薬です。これに対し、より限られた種類の細菌に有効な抗菌薬は狭域スペクトル抗菌薬と呼ばれます。広域スペクトル抗菌薬は多くの種類の細菌に有効である一方、その使用により薬剤耐性菌(本来効くべき抗菌薬が効かない菌)の出現に繋がることが懸念されています。このため、広域スペクトル抗菌薬を使用する際には事前に細菌培養検査を行うことが推奨されています。これにより原因となる細菌を特定できればその菌に有効な狭域スペクトル抗菌薬に変更し、薬剤耐性菌の出現のリスクを下げることができます。
更新履歴
2024/09/30
2023年度(令和5年)病院指標の公開

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