原発不明がんとは

体内に転移したがんが存在しているにもかかわらず、十分な全身の検査を行っても、発生した臓器が分からないがんを「原発不明がん」といいます。原発不明がんはすべてのがんの約2%を占めますが、医療技術の進歩に伴い減少傾向にあります。

詳細な問診・身体検査

病気の経過や喫煙の有無、アルコールの多飲、乳房、泌尿器、婦人科、直腸診察を含めた全身の詳細な身体検査を行います。

血液・尿検査、便潜血検査、画像検査（X線、CT、MRIなど）

上記のような検査を行い、特殊ながんの検索（胚細胞がんや前立腺がん）やがんの局在を知ります。

腫瘍組織の採取

できるだけ早い段階で生検を施行し、顕微鏡でがんの種類を調べたり、特定のたんぱく質を染める免疫染色などを実施します（病理検査）。また、早期にがんゲノム検査を検討します（遺伝子情報に応じた治療）。

原発不明がんの治療法

原発不明がんがもとの臓器が不明の転移性悪性腫瘍であり、治療の目標は延命や症状緩和となります。 使用される薬剤は主に殺細胞性抗がん剤ですが、がんゲノム検査を行うことで分子標的薬を中心にがんゲノム治療が治験などとして行える可能性があります。

■細胞障害性抗がん剤
細胞が増殖する過程に影響を及ぼしがん細胞を攻撃する薬で、がん以外の正常に増殖している細胞も影響を受けます。原発不明がんの治療では、注射としてカルボプラチンとパクリタキセルの併用が主に行われます。