リニアック(トゥルービーム)

TrueBeam(トゥルービーム)について

当科では、患者さんの病状や腫瘍の部位・大きさ・性質に応じて、最適な治療機器を選択しています。 2025年10月より、リニアック(放射線治療装置)を最新のVarian社の「TrueBeam(トゥルービーム)」に更新いたしました。頭部から体幹部まであらゆる部位に対応しており、本装置の導入により、より早く、より正確に、より安全な治療を患者さんに提供することが可能となりました。

より短時間で負担の少ない高精度治療
トゥルービームは最新の技術により、非常に高出力で効率的な照射が可能です。これにより、一回あたりの治療時間を大幅に短縮できるようになりました。治療時間が短くなることで、患者さんの体への負担が軽減されるだけでなく、治療中に同じ姿勢を維持する苦痛も和らげることができます。
また、本装置は体のわずかな「傾き」や「ねじれ(回転)」も自動で補正することが可能であり、毎回の治療において極めて再現性の高い位置合わせが実現します。腫瘍に対して放射線を集中させ、周囲の正常組織への影響を最小限に抑えた、より精度の高い治療を行います。



最新の画像誘導(IGRT)と体表面監視(SGRT)による呼吸同期照射
当院では、治療直前に撮影する画像を用いて腫瘍の位置や体位のずれをその都度確認し修正する画像誘導放射線治療(IGRT)を行い、日々の体内のわずかな変化にも対応した精密な治療を実施しています。 さらにトゥルービームは、最新の体表面監視システム(SGRT)と連動しています。これは、レーザーやカメラを用いて患者さんの体表面の動きをリアルタイムで監視する技術です。これにより、呼吸によって位置が動く肺や肝臓などのがんに対しても、呼吸のタイミングに合わせて照射する呼吸同期照射が可能となりました。


乳がん術後照射における「深吸気息止め(DIBH)」法
左乳がん術後の放射線治療においては、このSGRTを活用した「深吸気息止め(DIBH:Deep Inspiration Breath Hold)法」を導入しています。大きく息を吸って止めた状態で照射を行うことで、肺が膨らみ、心臓と照射部位(乳房)との距離を離すことができます。これにより、心臓への被ばく線量を大幅に低減し、将来的な心疾患のリスクを抑えることが可能です。
SGRTを併用することで、息止めの状態が正確に維持されているかを厳密に監視し、安全かつ再現性の高い治療を提供いたします。


適応疾患について
トゥルービームは、その高い汎用性と精度により、全身のさまざまな疾患に対して治療を行うことが可能です。ラディザクトと同様に、強度変調放射線治療(IMRT)にも対応しています。
頭頸部: 脳転移、咽頭がん、喉頭がんなど
胸部: 肺がん、食道がん、乳がんなど
腹部・骨盤部:前立腺がん、直腸がん、子宮がんなど
その他: 悪性リンパ腫、骨転移など
根治を目指す治療から、痛みなどの症状を和らげる緩和治療まで、幅広いニーズに対応しています。


当科では、これらの最新鋭の機能を駆使し、患者さん一人ひとりに最も適した、身体に優しい高精度な放射線治療をご提案してまいります。ご不明な点がございましたら、いつでも主治医やスタッフにご相談ください。

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