サイバーナイフ

当センターの特色

日本赤十字社医療センターでは、平成20年4月に定位放射線治療装置「サイバーナイフ」を導入、令和2年5月に最新機器に更新し、脳腫瘍(原発性脳腫瘍・転移性脳腫瘍)ならびに頭頸部がんなどの治療を積極的に行ってきました。平成24年からは体幹部がん(肺がん・肝臓がんなど)に対しても治療を行っています。ナイフと言っても、手術のように切るわけではなく、治療に痛みを伴うこともありません。サイバーナイフは、「切らずに治す」ことを目的とした最先端放射線治療器です。
平成20年4月以来、頭蓋内外問わず多くの疾患に対する治療を行っています。「できるだけお待たせしない」をモットーに、質の高い治療を目指しています。

サイバーナイフについて

サイバーナイフは、ロボット誘導型定位放射線治療器と称されるように、コンピュータの発達により進歩したロボット工学とコンピュータ画像デジタル処理技術、小型リニアックを統合した定位放射線照射システムで、1994年 アキュレイ社(Sunnyvale CA, USA) により開発され、スタンフォード大学において脳神経外科医ジョン アドラー博士のもと治療が開始されました。1997年、わが国に第一号機が導入され、稼働しています。
2001年、米国食品医薬品局 (Food and Drug Administration : FDA) がサイバーナイフを体幹治療器と認定し、世界標準のサイバーナイフは全身治療器として稼働しており、頭蓋内病変や頭頸部がん以外に脊髄病変・肺がん・肝臓がん・膵臓がん・前立腺がんなどに対し治療が行われています。   
わが国では、2008年6月12日に医薬品医療機器総合機構 (Pharmaceuticals and Medical Devices Agency : PMDA) より体幹治療器として薬事承認を得、同年12月に保険収載され、ようやく世界標準と同等の治療が可能となりました。

定位放射線治療とは?

定位放射線治療は、1回照射をSRS (Stereotactic radiosurgery)、分割照射をSRT (Stereotactic radiotherapy)と定義し、1960年代からガンマナイフでの頭蓋内病変に対する有効性が示され、臨床応用が広がり、現在では頭蓋内病変以外のいわゆる体幹部病変を正確に治療できる機器が市販されています。それぞれの機器に特徴があり、機器に合わせた適応や使い方が必要で、機器のハード面ソフト面の進歩は著しく、短期間で改良されています。
そもそも定位放射線治療とは、線量を病変に集束させることが目的の治療です。つまり、従来の通常型外部照射では、病巣周辺の正常組織への被曝が避けられないため、分割回数を増やすことで正常組織を保護してきましたが、定位放射線治療は放射線を病変の形状に正確に一致させて無用な被曝を極力少なくする照射方法で周辺組織を温存し、病変のみを治療することが可能となりました。

ガンマナイフとの違い

ガンマナイフをはじめとする従来の定位放射線治療は、フレームと呼ばれる金属製の固定具を患者さんの頭蓋骨にピンを用いて固定することで、照射の幾何学的正確性を担保する必要がありました。よって、頭蓋底より下方に存在する、いわゆる頭頸部領域の疾患に対しては放射線が到達できず、照射可能な範囲が限られてしまったのです。一方、サイバーナイフでは、病変追尾システムを搭載することで、照射中の患者さんの動きを評価し、リアルタイムに照射方向を修正可能なため、フレーム固定を必要としません。

サイバーナイフのメリット

  1. フレーム固定が必要ないため、より低侵襲。
  2. 分割照射が可能。
  3. 対象が頭蓋内疾患だけでない。

サイバーナイフ治療の流れ

1.外来

かかりつけの病院で紹介状と画像データをご用意ください。
サイバーナイフセンター(直通電話番号:03-3400-0406)までご連絡いただき、初診日を決定します。
※サイバーナイフによる治療の適応とならない疾患もあります。予約窓口では判断ができない場合もありますことをあらかじめご承知おきください。基本的には受診していただき担当医が拝見したうえで、治療の適応含めご相談いたします。

2.治療計画

疾患の部位に応じた固定具を作成し、治療計画用のCTを行います。疾患によっては、造影剤を使用したり、MRI検査を追加します。
また、体幹部のがんでは治療計画CTに先だって、病変の近傍に金属マーカーの留置が必要となる場合があります。
 
頭蓋内疾患(脳腫瘍など):プラスチックマスク
頭頸部がん:プラスチックマスク+専用の枕
体幹部がん:CT撮影の際には専用のベッド(ビーズクッションを身体の形に合わせて固めます)

3.治療計画

担当医が、治療計画用の画像検査から正確に病変の位置を同定し、周囲の正常構造との位置関係などから、病変への照射線量、正常部分の耐容線量などをプランニングソフトウェア上で計算します。

4.治療

治療計画CTの撮影から3~7日後に治療開始となります。治療計画検査時と同じ体勢で治療台に横になっていただきます。固定具を装着し、準備が整い次第、照射を開始します。照射時間は、疾患によって異なります。

治療は入院・通院どちらも可能です。患者さんの状態やライフスタイルに合わせて決定いたしますので、担当医にご相談ください。

サイバーナイフ治療の流れイメージ

扱う疾患

下記に記載されている疾患でも適応とならない場合があります。

サイバーナイフ治療の適応イメージ

体幹部定位放射線治療の保険適応について

下記が保険収載されている病態となりますが、詳しくは初診時に担当医へご相談ください。

頭頸部に対する治療:頭頸部腫瘍(頭蓋内腫瘍を含む)および脳動静脈奇形
体幹部に対する治療:
①原発病巣が直径5 cm以下であり転移病巣のない原発性肺がん,原発性肝がんまたは原発性腎がん
②3個以内で他に病巣のない転移性肺がんまたは転移性肝がん
③転移病巣のない限局性の前立腺がんまたは膵がん
④直径5 cm以下の転移性脊椎腫瘍
⑤5個以内のオリゴ転移(転移病巣が少数個しかない病態)
⑥脊髄動静脈奇形(頸部脊髄動静脈奇形を含む)

サイバーナイフ治療を希望される方へ

サイバーナイフセンターあての紹介状ご準備ください。
当サイバーナイフセンターに電話でご連絡ください。
ご都合を相談の上、受診日の予約をお取りいたします。
なお、現在の担当医師から当センターあてに直接ご連絡をいただき、かつ患者さんのご了解をいただいている場合には、当センターから患者さんご本人へ直接連絡する場合もあります。

予約日に来院されたら

予約日の指定された時刻に日赤医療センターの初診受付にお越しください。
お手続き終了後、サイバーナイフセンター外来(地下1階・放射線治療・核医学受付)にお越しいただきます。その後は、担当の事務職員がご案内いたします。

問い合わせ先

〒150-8935
東京都渋谷区広尾4-1-22 
日本赤十字社医療センター・サイバーナイフセンター

電話
03-3400-0406(直通)
03-3400-1311(代表)

FAX
03-6690-9751