紹介
当院のリハビリテーション技術課には、理学療法士15名、作業療法士4名、言語聴覚士3名の合計22名が在籍しています。
リハビリテーション室は中庭に面した設計になっており、特に3月から4月は国花の一つ『桜』を見ながらリハビリテーションを行う事ができます。
各診療科からのリハビリ依頼に対して、リハビリテーション科医師の診察を経て、早期介入を行っております。急性期医療を受ける患者さんに対しては、高い水準のリハビリテーション医療を提供できるよう努めています。
また急性期リハビリテーションから回復期リハビリテーション、介護でのリハビリテーションへ円滑に継続できるよう、リハビリテーション医療機関や在宅支援機関との連携を図っております。
理念・基本方針
施設基準
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)
廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)
運動器リハビリテーション料(Ⅰ)
呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)
がん患者リハビリテーション料(Ⅰ)
心大血管リハビリテーション料(Ⅰ)
早期離床・リハビリテーション加算 ※対象病棟:ICU,EICU,EHCU
診療内容
リハビリテーション科医師の診断・処方に基づいて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士がリハビリテーション評価及び診療を行います。この際、患者さまや患者ご家族さまの希望に沿うとともに、リハビリテーション職種だけでなく、多様な専門職種が様々な角度から患者さまに必要な支援を検討し、患者さまに最適な医療を提供することを行っております。
対象とする診療科は全診療科です。整形外科や脳神経外科の患者さまが多い中、がんのリハビリテーション、小児リハビリテーション、緩和ケアリハビリテーションなど、特殊なリハビリテーションまで幅広く行っています。整形外科、脳神経外科・神経内科、心臓血管外科、循環器内科、血液内科とは定期的なカンファレンスを行っております。また患者さまの療養生活の中で、日常生活動作を維持出来るように看護師とのカンファレンスも行っております。
特定集中治療室(ICU)、救急集中治療室(EICU)及び救命救急ハイケアユニット(EHCU)では早期離床リハビリテーションを専任の理学療法士が医師・看護師と協働で行っており、集中治療後症候群(PICS)予防に努めております。ICU、EICU及びEHCUを退出して一般病棟に移っても、リハビリテーションが必要な患者さまには退院まで継続的にリハビリテーションを行います。
心臓リハビリテーションにおいては、入院時より理学療法士と看護師が医師と協力して個別及び集団運動療法を行い、医師と臨床検査技師が協力して運動負荷試験検査を行っております。
教育体制
当課の指導育成方針として、以下の3つを挙げております。
〇様々な疾患の知識を有し、患者さまに最適なリハビリテーション医療を実践できるジェネラリストを育成する。
〇患者さまの気持ちに寄り添い、信頼される医療人を育成する。
〇医学の進歩に対応し、新しい知見を探求し続ける医療人を育成する。
新入職員には1年間先輩スタッフがついて指導するチューター制度を取り入れています。知識や技術面において自己研鑽扱いにはなりますが、月1回当課全体での勉強会も開催しております。更に各種係(理学療法係、作業療法係、言語聴覚係)においても独自の勉強会を業務時間内に行えるように調整・実施しております。
院外で行われる学会や研修会へも積極的に参加できます。
業務実績
2023年度
種別 |
人数 |
脳血管疾患等リハビリテーション
|
596名 |
廃用症候群リハビリテーション
|
104名 |
運動器リハビリテーション
|
959名 |
呼吸器リハビリテーション
|
544名 |
心大血管リハビリテーション
|
136名 |
がん患者リハビリテーション
|
304名 |
2022年度
種別 |
人数 |
脳血管疾患等リハビリテーション
|
614名 |
廃用症候群リハビリテーション
|
350 名 |
運動器リハビリテーション
|
735 名 |
呼吸器リハビリテーション
|
478 名 |
心大血管リハビリテーション
|
― |
がん患者リハビリテーション
|
322 名 |
2021年度
種別 |
人数 |
脳血管疾患等リハビリテーション
|
537名 |
廃用症候群リハビリテーション
|
462名 |
運動器リハビリテーション
|
792名 |
呼吸器リハビリテーション
|
367 名 |
心大血管リハビリテーション
|
―
|
がん患者リハビリテーション
|
258 名 |
主な業務
理学療法係
理学療法では、病気やけがによって身体機能に何らかの障害が生じたことで座位・立位・歩行などの起居・移動動作が困難となった方を対象としています。入院後、早期より下記のような練習を通して日常生活における自立動作を増やし、活動範囲の拡大・QOL(生活の質)の改善を目指しています。
・関節可動域訓練:関節を動かして拘縮を予防し、四肢の動きを円滑にする訓練です。
・筋力増強訓練:病気や怪我で弱くなった筋力を回復、増強する訓練です。
・基本動作訓練:寝返り、起き上がり、座位保持、起立、立位保持などの一連の動作が出来るよう訓練します。
・歩行訓練:歩行が不安定な時期には平行棒内で訓練を行います。これが安定した後は運動機能に合わせて補助具(歩行器、四点杖、T字杖、松葉杖など)を使用して訓練を行います。さらに独歩の訓練や屋外歩行、階段昇降などの応用歩行訓練も行います。
作業療法係
作業療法では、日常生活動作(食事、整容、更衣、排泄、入浴)をその方に合った方法で行えるよう援助をしています。「つかむ、つまむ、手を伸ばす」など基礎的な動作や手工芸など、さまざまな作業活動を通じて上肢の機能回復を図ります。
また、家事動作(調理、洗濯など)やパソコン作業など、退院後の生活に必要な動作を行い、適切な方法や自助具の使用などの助言を行っています。
言語聴覚療法係
言語聴覚療法では、言語障害(失語、構音障害)や嚥下障害に対する検査、評価を行い、効果的な訓練方法を助言して、円滑なコミュニケーションが取れるよう、また安全に食事が出来るよう支援をしています。
脳血管障害や脳外傷など脳の損傷によって生じる注意障害、記憶障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの高次脳機能障害に対して検査や評価を行い、症状に応じた訓練を行ったり、家族をはじめとする周囲の方々に対して高次脳機能障害への対処法を助言したりしています。