検査部

紹介・特色



当センターの検査室(検査部・病理部・輸血部)はISO15189認定施設です。
国際規格「ISO15189(臨床検査室-品質と能力に関する要求事項)」に基づく「品質マネジメントシステム」と「臨床検査の種類に応じた技術能力」をもって健全に検査業務を行い、スタッフ全員で質の高い臨床検査サービスを提供できるよう努めています。

当センターの検査室は、検査管理医1名と、臨床検査技師48名(病理部・輸血部と合わせて63名の臨床検査技師)を有し、「優しく丁寧な患者対応」「信頼できる検査の実践」「迅速で精度の高いデータ」を業務理念として、365日24時間体制で日常検査および夜間休日帯の緊急検査を行っています。また外来採血、健診センター、耳鼻科の聴力検査や、院内の感染対策チーム(ICT)、抗菌薬適正使用支援チーム(AST)、栄養サポートチーム(NST)、糖尿病ケアチームなど、他部門・他職種と積極的に連携し診療業務に貢献しています。人材育成にも力を入れ、社会の変化や技術の進歩を知る機会を多くし、急性期型検査能力を備えた検査部の構築を目指しています。

主な業務

患者さんへのお願い

臨床検査を終了した残余検体の業務、教育のための使用について

採血室

1日平均500名の外来患者さんの採血を8台の採血台で、臨床検査技師と看護師が行っています。採血の他、尿検体、便検体、喀痰も受付けます。また血糖負荷試験や尿素呼気試験なども随時行っています。
受付時間は7:50~17:00です。患者さんには安心して検査を受けていただけるよう、採血待ち時間短縮をはじめ、日々改善に努めています。

採血室イメージ01 採血室イメージ02

 <<採血・採尿をお受けになる患者さんへ>>

採血の前に、お名前(フルネーム)と生年月日をおたずねします。ご本人確認は、医療安全の基本です。ご協力をお願いいたします。
これまでに採血で気分が悪くなったことがある方、アルコール消毒や絆創膏などにアレルギーのある方、ワーファリンやバイアスピリンなどの抗血栓薬を服用されている方、
   採血を禁止されている部位がある方、その他にご不安のある方は、採血室の臨床検査技師、看護師にお申し出ください。
採血後は指示された通り圧迫止血をしてください。圧迫止血が不十分だと内出血(青あざ)や、再出血により衣服が汚れることがありますのでご注意ください。
採尿(尿検査)のある方は、特に指示がない場合は、中間尿(最初と最後の尿は尿カップに入れない)を採取してください。
尿検査の内容により必要量も異なります。足りない場合は、再度採尿をお願いする場合があります。

安心安全な採血に努めております。ご理解とご協力をお願いいたします。

中央採血室

生化学・免疫検査

血清・尿・髄液・腹水などに含まれる酵素やタンパク質、糖などの様々な物質を自動分析装置で測定します。またホルモンや腫瘍マーカー、薬物濃度、特定のウイルスなどの抗原や抗体を測定します。

      

血液検査

自動分析装置を用いて血液中の白血球数、赤血球数、ヘモグロビン量、血小板数などを測定します。血液像検査、骨髄像検査では、血液や骨髄に含まれる細胞を分類し、異常細胞の有無を調べます。血液凝固検査では、血液の止血機能を調べます。

一般検査

排泄物(主として尿や便)や血液以外の体液・体腔液などの分析や、顕微鏡による観察などを行っています。試験紙を使用して尿中に含まれる糖・タンパク・血液などを調べたり、尿中の沈殿物(細胞や結晶)の種類や量も調べます。その他、消化管からの出血を調べる便潜血反応や、寄生虫検査などを行っています。

微生物検査

喀痰、尿、咽頭粘液、胆汁、血液などからの病原微生物(主として細菌と真菌、抗酸菌)を検出し、どの抗生剤が有効であるか調べます。重篤な感染症などにより、至急治療を要する患者さんのため、365日毎日検査を行っております。
また、質量分析装置を導入することで迅速に菌種を同定し、臨床へ報告できる体制をとっています。

細菌検査イメージ01

染色体検査/遺伝子検査

先天性疾患、不妊症の原因検索を目的とした染色体分析や、白血病や悪性リンパ腫などの造血器腫瘍の診断や病型分類、治療の予後予測を目的とした染色体分析、遺伝子検査を行っています。

生理機能検査

心電図検査、呼吸機能検査、エコー(超音波)検査、神経機能検査などを行っています。
予約検査を基本としていますが、臨床からの緊急依頼も積極的に受け入れ対応しています。

<<検査をお受けになる患者さんへ>>

・ご本人確認のため、検査ごとに「お名前」「生年月日」をお伺いしております。医療安全のためご協力お願いします。
・検査によっては呼吸を止めていただくなど患者様の呼吸調整や体位の変換などご協力が必要な場合があります。
・女性技師または男性技師をご希望の方は受付にお申し出ください。お待ちいただく場合もありますが、なるべくご希望に沿えるように致します。

心電図検査:

12誘導心電図(検査時間:10分程度)
一般的に行われる心電図検査です。心臓が動く際に発生するわずかな電気を記録する検査で、短時間で心臓に関する情報が得られます。
ベッドに横になっていただき、両手・両足・胸部に電極シールを張り付けます。痛みなどはありません。予約の必要はなく受付順にご案内いたします。
胸が出やすいような上下に分かれた服または前開きの服でお越しください。靴下は短めをおすすめします。


ホルター心電図

日常生活における心電図を24時間記録する検査です。不整脈の有無や頻度、自覚症状と心電図の関係を調べます。胸部に記録用シールを貼り携帯用小型記録器を取り付け、翌日に取り外しますので連日でご来院いただきます。装着中は普段通りの生活を行っていただいて構いませんが、記録器を付けているため、お風呂(シャワーを含む)は入れません。
首近くに記録用シールを貼りますので、首元の広く開いた服装はお避けください。24時間の血圧変動も同時に記録する場合は腕に血圧測定用カフを付けその上に着衣いただきますので、腕周りにゆとりのある服装でお越しください。


 ・
運動負荷心電図(検査時間:約30分)
運動することにより心臓に負荷をかけて心電図の変化を調べていきます。トレッドミルはベルトコンベア上を歩行しながら心電図・血圧の変化を、マスター2階段試験は階段の上り下りをしていただき、運動前と運動後の心電図の変化を調べていきます。小児ではジャンプや縄跳びで心臓に不可をかけて行う場合もあります。

心配運動負荷試験(CPX)(検査時間:約1時間)
心電図、血圧、呼気ガスを測定しながらエルゴメーターと呼ばれる自転車をこぐ検査です。安静時や労作時の時に心臓の状態がどのようになっているのかを評価することができます。また、運動耐容能を評価するほか心臓や肺、骨格筋、血管、自律神経のどのパーツが異常なのかを考えることができ治療のターゲットを絞り込むことができます。
検査2時間前からご飲食はお控えください。

血圧脈波検査(CAVI、ABI、TBI)(検査時間:10分程度)

CAVI/ABIは血圧のバランスや脈の伝導を測定し、動脈の硬さやつまり具合を調べる検査です。裸足になった状態でベッドに横になっていただき、両手足に血圧測定用カフを巻き検査をしていきます。予約の必要はなく受付順にご案内いたします。
着脱のしやすい服装でお越しください。TBIは足指の血管の石灰化が進行している患者さんでも足の動脈の詰まり具合をみることができる検査です。
両手足に加え、足の親指にも血圧測定用カフを巻きます。腕にしゃんとのある方、足の血管手術等を受けた方は検査時にお申し出ください。
また、血液透析のため腕にシャントのある方、足の血管手術等を受けた方は検査時にお申し出ください。

肺機能検査(検査時間は10~30分、項目により所要時間が異なります。)

肺活量や肺の機能を調べていきます。マウスピースを口にくわえ鼻を専用のクリップで挟みます。その状態で大きな呼吸をしたり、勢いよく息を吐いたりする検査です。
最大努力時の結果が得られるよう何度か同じ検査を行うことがあります。
検査直前の飲食はお控えください。



 ・呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)
呼気中に含まれる一酸化窒素濃度を測定し、気道の炎症やその程度を見る検査です。
検査値に影響いたしますので、検査前1時間はご飲食や喫煙はお控えください。
 

エコー(超音波)検査:

超音波(人には聞き取れない高周波数の音波)を用いて体の内部をリアルタイムに画像化し、体内の構造や臓器の状態、大きさ、機能などを調べていきます。
体の表面に超音波の伝導をよくするエコーゼリーを塗り、検査対象に応じ超音波の特性(周波数や発生装置)を変え検査していきます。
超音波は被曝の心配がない無侵襲な検査であるため繰り返し行うことができます。
腹部エコーのみ食事の影響を受けるため事前にご確認ください
 

腹部エコー(超音波)検査(検査時間:20~30分程度)
ベッドに寝た状態でお腹に超音波をあてることで、臓器(肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓など)の大きさや炎症の有無、腫瘤・腫瘍の有無などがわかります。
医師からの依頼により下腹部の膀胱等も調べることがあります。上半身は脱衣しやすい服装でお越しください。

肝硬度測定
インテグラル社のフィブロスキャン装置を右脇腹にあてて軽い振動と超音波を伝えることで肝臓の硬さや肝臓内の脂肪量を測定します。
この装置を用いることで非侵襲的かつ短時間で検査が行えます。


心エコー(超音波)検査(検査時間:20~30分)
ベッドに左横向きに寝ていただき胸から超音波をあてて心臓の動きの具合、大きさ・形、心臓内の血液の流れ方を調べていきます。
必要に応じ体の向きを変えたり、担当者の声に合わせ呼吸の調整をしていただくこともあります。
上半身は脱衣しやすい服装でお越しください。食事の制限はありません。

 ・血管(頸動脈、下肢静脈・動脈)エコー検査検査時間は15~60分 検査項目・範囲により異なります。)
血管の状態を調べていきます。
頸動脈エコーではベッドに寝た状態で首元に超音波をあてることで動脈硬化の程度の評価をします。
血管壁の厚さや心臓から脳へ向かう血流を測るほか、プラーク(コレステロールの塊など)の有無や、血管の狭窄の程度を調べます。首元周囲を検査するため、首元があいた服装でお越しください。

下肢エコーは足の付け根から足首までの血流の流れや血栓の有無を調べます。動脈硬化、静脈血栓、静脈瘤などがわかります。
ズボンやスカートは脱いだ状態で検査します。脱衣しやすい服装でお越しください。
 

体表臓器エコー検査(検査時間:約30分)
乳腺や甲状腺の腫瘤の有無を調べていきます。乳腺エコーは女性技師が担当いたします。
甲状腺は首元があいた服装で、乳腺は上半身脱衣しやすい服装でお越しください。


神経機能検査


脳波検査(検査時間:約1時間)
頭皮上に電極をたくさん貼り付けて脳が活動する時に出る電気信号を波形として記録します。約60分間の検査ですので事前にトイレを済ませてください。
また頭皮に電極をつけるために糊状のペーストを付けます。検査後はべとつきが残りますが、お湯で洗髪すると落ちます。眼鏡やピアス、カツラなどは外して検査します。


筋電図検査(検査時間30分~1時間程度 検査内容により異なります)
脳や神経が活動する際に発生する微弱な電気を記録し神経の情報伝導速度・効率や異常、筋肉の異常を調べます。
様々な筋電図検査、主なものとして神経伝導検査、針筋電図、誘発電位、磁気刺激などを行っています。皮膚の上から電気を流したり、筋肉に針を刺したりするため痛みを感じることもあります。

主な認定資格取得状況(検査部・病理部・輸血部)(2024年6月1月現在)

※数字は延べ人数

日本超音波医学会 超音波検査士(消化器)
9名
日本超音波医学会 超音波検査士(循環器)
6名
日本超音波医学会 超音波検査士(体表臓器)
7名
日本超音波学会 超音波検査士(健診)
1名
日本超音波学会 超音波検査士(泌尿器)
1名
日本超音波学会 超音波検査士(血管)
2名
日本超音波学会 超音波検査士(婦人科)
1名
血管診療技師認定機構 血管診療技師
2名
日本臨床神経生理学会 専門技術師(脳波分野)
3名
日本臨床神経生理学会 専門技術師(筋電図・神経伝導分野)
2名
日本臨床神経生理学会 専門技術師(術中脳脊髄液モニタリング分野)
2名
日本不整脈心電学会 認定心電図専門士
3名
日本臨床衛生検査技師会 認定心電検査技師
1名
日本睡眠学会 認定検査技師
1名
日本聴覚医学会 聴力測定技術(一般)
5名
日本聴覚医学会 聴力測定技術(中級)
4名
日本聴覚医学会 聴力測定技術(補聴器)
1名
日本輸血・細胞治療学会 認定輸血検査技師
3名
日本輸血・細胞治療学会 細胞治療認定管理師
2名
日本臨床微生物学会 認定臨床微生物検査技師
1名
日本臨床微生物学会 感染制御認定臨床微生物検査技師
1名
日本検査血液学会 認定血液検査技師
4名
日本人類遺伝学会 細胞遺伝学認定士
1名
日本人類遺伝学会 細胞遺伝学指導士
1名
日本臨床衛生検査技師会 認定臨床染色体遺伝子検査師(染色体分野)
1名
日本臨床衛生検査技師会 認定臨床染色体遺伝子検査師(遺伝子分野)
1名
日本臨床検査同学院 遺伝子分析科学認定士(初級)
4名
日本臨床細胞学会 細胞検査士
13名
国際臨床細胞学会 国際細胞検査士
8名
日本臨床衛生検査技師会 認定病理検査技師
2名
日本臨床衛生検査技師会 認定救急検査技師
2名
日本輸血・細胞治療学会 細胞治療認定管理師
2名
日本臨床衛生検査技師会 認定一般検査技師
2名
日本臨床衛生検査技師会 臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師
1名
日本臨床栄養代謝学会 NST専門療法士
2名
日本臨床栄養代謝学会 臨床栄養代謝専門療法士(小児領域)
1名
日本臨床検査同学院 POCT測定認定士
5名
日本臨床検査同学院 緊急臨床検査士
13名
日本臨床検査同学院 一級臨床検査士(微生物)
1名
日本臨床検査同学院 二級臨床検査士
35名
日本医療情報学会 医療情報技師
1名

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