【TeaTime96号】専門看護師・認定看護師の知恵袋

専門看護師・認定看護師の知恵袋 No.32

2026年6月掲載:Tea Time 96号(2026年・春号)

ちょっとした不調を悪化させないための心得

日本赤十字社医療センターには、日本看護協会が認定している専門看護師19人、認定看護師26人がおり(2025年4月時点)、それぞれの分野に特化した看護ケアを患者さんに提供しています。本連載は私たち「専門看護師」「認定看護師」を皆さんによりいっそう知っていただくため、耳よりな情報をリレー形式でお伝えします。

どんな大病もちょっとした不調から

クリティカルケア認定看護師が勤務する集中治療室には、事故や病気の方だけでなく、ちょっとした不調から集中治療が必要な状況に陥る方もおられます。「風邪は万病の元」ということわざが示すように、どんな大病にもちょっとした不調があり、重篤な状態に陥ることがあります。

ちょっとした不調を調整する体内のバランス

私たちは、日常生活の中で、風邪、けが、睡眠不足など、さまざまな不調を経験します。私たちの身体には体内のバランスを正常に保つために、自律神経系・免疫系・ホルモンの分泌調整機能があります。これらがきちんとはたらいていれば、けがや風邪などの不調に打ち勝ち、回復に向かいます。しかし、睡眠不足やストレス状態の持続による自律神経系の乱れ、さまざまな不調によるストレスホルモンの影響などから体内のバランスが崩れると、免疫機能が低下します。そして、けがや風邪からの回復の遅れや、重症化、新たな病気の発症などを招く可能性があるのです。このような身体の反応は目に見えないので、ちょっとした不調は放置され、対処が遅れてしまいがちです。

ちょっとした不調とどう向き合う?

ちょっとした不調に向き合うコツを二つ、お伝えします。

一つは、日常生活の中で、ぎりぎりまで仕事、学業、家事、育児などをがんばらず、意識的に休息をとることです。また、強いストレスや負担があるときは、できるだけストレス要因から離れ、安心できる場所や人と過ごす時間を確保すると良いでしょう。

もう一つは、不調となっている症状があるときは、自己判断で放置せず、適切な対処をとることです。痛みや発熱に対して鎮痛剤や解熱剤を使用するときは、注意点を理解して使用することが大切です。鎮痛剤は使い過ぎると、副作用を生じる危険性があることに加え、痛みが軽減することで受診行動や病気の発見の遅れにつながる可能性があります。鎮痛剤を使い続けないと症状が治まらないときには、速やかに医療機関を受診してください。そして、解熱剤は発熱による不快感が強いときに使用することは有効です。しかし、安易に発熱を抑制することは、身体がウイルスや細菌と戦う防御反応を低下させ、感染を長引かせる危険性もあります。このように薬を使って症状をコントロールするときには、注意点を理解して、効果的に使用しましょう。

ちょっとした不調は、ご自身の身体からのメッセージです。メッセージを受け止めて、自己管理につなげてくださいね。

クリティカルケア認定看護師とは

急性期医療が必要な患者さんの重篤化回避や早期回復へのケア、ご家族へのケアを行います。また、医療スタッフの看護相談や教育に携わり、より良い看護の実践に向け活動しています。

  • 専門看護師(CNS:Certified Nursing Specialist) 患者・家族に起きている問題を相対的に捉えて判断する力と広い視野を持ち、分野ごとの専門性を発揮しながら、施設全体や地域の看護の質の向上に努める。
  • 認定看護師(CN:Certified Nurse) 患者・家族により良い看護を提供できるよう、分野ごとの専門性を発揮しながら看護の質の向上に努める。
クリティカルケア認定看護師 小泉 花織 / 吉田 道子

クリティカルケア認定看護師 小泉 花織 / 吉田 道子

小泉 花織
クリティカルケア認定看護師
小泉 花織 (Kaori Koizumi)
吉田 道子
クリティカルケア認定看護師
吉田 道子 (Michiko Yoshida)

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