視神経脊髄炎

視神経脊髄炎とは

視神経脊髄炎は、自己抗体が視神経や大脳、脊髄を障害し、視覚異常や手足の筋力低下、体のしびれや感覚鈍麻が生じる疾患です。視神経脊髄炎の患者さんは、抗アクアポリン4(AQP4)抗体という神経細胞を攻撃する特殊な抗体を持っていることが多く、症状の原因となっています。自己免疫性疾患である多発性硬化症(MS)、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)と似ていますが、症状の出現の仕方や抗アクアポリン4抗体を持っているという特徴などから区別されます。視神経脊髄炎の患者さんで、どのように最初に抗アクアポリン4抗体が生じるかについて知られておらず、解明されていない点も多くあります。しかし、一部の患者さんでは感染やワクチン接種などの後に同抗体が産生されて、病気を発症すると考えられています。視神経と脊髄に3椎体を超える長大病変, 一部の症例では延髄最後野などの脳幹病変、間脳病変などが特徴で, アジア人、黒人の方が白色人種よりも発症頻度が高いです。延髄最後野の症状として難治性の吃逆(しゃっくり)や嘔気嘔吐、間脳の症状として眠気なども知られています。

当センターでできる検査・治療

検査

MRI、誘発電位、髄液検査が行われますが、血清や髄液の抗APQ4抗体や抗MOG抗体の検討が非常に重要です。
視神経炎の評価では眼科との連携で視力、視野だけでなく、フリッカーテストやRADPと呼ばれる瞳孔反応などを検査します。

治療

治療は急性期にはステロイドパルス療法や血漿交換などが行われます。
再発予防の治療はかなりバラエティーに富んでおり、ラブリズマブ、エクリズマブなどの抗C5抗体薬, サトラリズマブ (抗I L-6受容体抗体), イネビリズマブ(抗CD19抗体薬)などが用いられており, 2020年以降、当院でも上記のような再発予防のための薬剤を使用してからの患者さんの症状の再発は劇的に減りました。再発予防のお薬については患者さんのライフスタイルやご希望などに応じて、最も適したものを選びます。主治医とご相談ください。
検査はMRI, 脳脊髄液検査, SEP, VEPなどの誘発電位検査,磁気刺激などで多発性硬化症とほとんど変わりません。

視神経脊髄炎で、抗アクアポリン4抗体が陰性である患者さんでの一部に、抗ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク(MOG)抗体という別の自己抗体を持っていることが近年新たに知られております。抗MOG抗体を有している方については、MOGAD MOG抗体関連疾患(MOGAD)として研究が進んでいますが、一部の患者さんでは痙攣を伴う皮質脳炎の状態となるなど、臨床像は多岐にわたります。急性期はステロイドパルス療法を行い、ステロイド(プレドニゾロン)の内服で再発を予防していますが、今後、新たな治療が開発される可能性もあります。

当センターでの実績

2023年度

・視神経脊髄炎
外来:13例(ラブリズマブ 4例、エクリズマブ 5例、サトラリズマブ 3例、イネビリズマブ 3例、アザチオプリン 2例、PSL 12例)

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