本校は、日本赤十字社医療センターに隣接する日本赤十字看護大学の6階にあります。同大学の5階には日本赤十字社幹部看護師研修センター、認定看護師研修施設があり、それぞれの専門分野を追求し学習を深めています。
このような恵まれた教育環境の中で、学生は助産師の専門分野である「助産とそのケア」を中心に学習しています。
学校からのお知らせ
- 令和7年度生 推進入学試験合格発表
- 本校は、日本助産評価機構が実施する「助産教育認証評価(専修学校/専門学校)」を定期的に受審し、適格認定を受けております。
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初回適格認定 2019年4月1日~2024年3月31日
適格認定更新 2024年4月1日~2029年3月31日
詳細は「第三者評価 」をご覧ください。
- 現在の郵便状況は普通郵便で中1~2日間で学校に到着します。翌日に学校へ到着でない為、ご注意ください。
本校は100周年を迎えました
本校は今年100周年を迎えました。助産師教育の更なる進化を目指して職員一同、教育に邁進してまいります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
学校長、副学校長挨拶
学校長 中島 淳(なかじま・じゅん)
近年わが国では少子化が進み、一人一人の子どもを大切に育てようという意識が高まる一方、産科医が不足しており、助産師の重要性が高まっています。
日本助産師会から出された声明・綱領によれば、助産師とは「女性の妊娠、分娩、産褥の各期において、自らの専門的な判断と技術に基づき必要なケアを行う」役割を担っております。すなわち、「分娩介助ならびに妊産褥婦および新生児・乳幼児のケアを行う」ことや、「異常の予防的措置や早期発見、医学的措置を得ることなど、必要に応じた救急処置を実施すること」が含まれています。
助産師の仕事は母親と子どもという二つの命に直接かかわるものであり、通常の看護医療よりも重い責任が伴います。さらに声明では、助産師は母子のみならず、女性の生涯における性と生殖にかかわる健康相談や教育活動を通して家族や地域社会に広く貢献する、とされています。これが助産師の「師」たる所以であり、人道・博愛という赤十字の理念に合致します。
助産師に必要な基礎的知識や技術を1年間の在学期間中に習得することは、決して楽ではありませんが、助産師となって新しい命が生まれる瞬間に立ち会える喜びもまた大きなものです。将来は、皆様には助産師として活躍していただくことはもちろん、さらに助産学を発展させるべく日々勉強を重ね、日本のみならず世界の母子保健活動にも貢献されることを期待しております。
副学校長 近藤 良子(こんどう・りょうこ)
英語で助産師はMidwifeと呼ばれますが、本来は「女性と共にいる」という意味であることをご承知の方も多いと思います。文字通り、助産師は女性の傍らにいてケアを提供する存在と言えます。本校でも助産師としての基礎的な知識、技術を基盤に女性とその家族の意思を尊重し、女性の一生涯の健康を支援できる助産師育成をめざしています。また、折からの産科医療の危機的状況を再構築するために助産師への期待は非常に大きくなってきており、より一層、自律した助産師の存在が求められています。本校では、創設以来多くの自律した優秀な助産師を輩出してきました。平成21年4月1日には専修学校への昇格を果たし、より質の高い教育体制へと刷新したところです。女性や家族の人権擁護、倫理的配慮はもとより的確なフィジカルアセスメント能力が身につくよう演習を多く取り入れるなど自律した助産師の礎を築けるようカリキュラム編成しています。
助産師として本校卒業後は、主に各赤十字病産院、大学病院等に就職しますが、臨床経験を経た後に地域における母子保健活動、国内外の救援活動、教育機関等、女性とその家族への支援及びリプロダクティブヘルス分野で多岐にわたり助産師としての活動を展開しています。助産師としての基本的な知識、技術をじっくり習得し、将来的に国内外で幅広く活動したい方の入学をお待ちしております。
学校案内
助産師学校の沿革
大正9年3月の赤十字連盟第一回総会の決議に沿って、日本赤十字社の社業に加えられた平時事業の一つである「母と子の保護」事業として、大正11年5月に産院並びに附属産婆養成所が開設され、助産師の育成が開始されました。
現在までに3,000余名の卒業生が、さまざまな分野で活躍しています。
教育理念と3つのポリシー
教育理念
建学の精神である赤十字の理念を基盤にして社会における助産師の役割を認識するとともに女性とその家族の生涯にわたる健康を支援できる基礎的能力を修得し、広く社会に貢献できる人材育成をめざす。
ディプロマ・ポリシー
- 生命の尊厳、人権の尊重について助産師としての視点で考え行動できる姿勢を養う。
(1)助産師の職業倫理について理解できる。
(2)女性と家族の健康に関連した倫理的課題について理解を深めることができる。
(3)人権を尊重し、他者とのよりよい関係性構築に努めることができる。
- 知識と技術を統合し、安全で安楽な助産ケアを提供できる基礎的能力を養う。
(1)対象者の安全・安楽を優先してケアを実践できる。
(2)正常経過にある妊娠・分娩・産褥期の女性および新生児への健康診査・保健指導を実践できる。
(3)正常から逸脱した妊娠・分娩・産褥期の女性および新生児への医療、ケアについて理解できる。
- 女性及びその家族に関連する健康上の課題について考え、対応できる基礎的能力を養う。
(1)女性のライフステージ各期に応じた健康上の課題およびその支援方法を理解できる。
(2)人間の性と生殖に関連した女性およびパートナーの健康上の課題およびその支援方法を理解できる。
(3)女性、家族を取り巻く社会を多角的、分析的に捉え健康上の課題と関連して考えるとともに社会資源を活用した支援方法を理解できる。
- 助産師の自律について考え、他職種と協働・連携できる基礎的能力を養う。
(1)助産師および他職種それぞれの業務内容、役割を認識し協働の意義を考えることができる。
(2)分娩機関の違いに応じたそれぞれの助産師の役割、管理方法、他職種、他施設との連携方法を理解できる。
(3)公私にわたり自らその生活を管理し、生涯にわたる自己教育力を習得できる。
- 赤十字の理念を理解し、基本原則に基づいた助産活動ができる基礎的能力を養う。
(1)赤十字の歴史、組織活動を理解できる。
(2)赤十字の災害救護活動を理解し災害時の助産師の活動について考えることができる。
(3)赤十字の国際活動を理解し国際的視点で助産師活動を考えることができる。
カリキュラム・ポリシー
アドミッション・ポリシー
- 人との協働を通じて学びあうことができる人
- 女性と家族の権利を尊重したケアを実践していきたい人
→他者を尊重する姿勢(円滑な対人能力、アサーティブな自己表現)
→多面的な視点(幅広い人間性)
- 助産師としての実践能力の基盤を習得したい人
→エビデンスを踏まえた知識・技術の提供(論理的思考過程)
→自主的な学習(自己学習)
- 助産、リプロダクティブヘルスの実践家として国内外で活躍したい人
自己点検・自己評価
当校の自己点検・自己評価報告書を公表いたします。
日本赤十字社助産師学校 自己点検・自己評価報告書2023年度
実習施設
主な実習施設である「日本赤十字社医療センター」は、病床数693床の総合病院です。2010年(平成22年)に新しい建物に移転しました。周産期部門(3階の産科・小児保健外来、5階の周産母子センター)は、1階から専用のエレベーターでアクセスでき、一般の患者さんとは動線が分離されています。それはまるで、病院の建物の中に別の産院の建物があるかのような構造です。旧病院においても、周産期部門は病棟とは別の「健康棟」と呼ばれる建物に、外来・入院の両機能が集約されていました。このように、建物の設計ひとつにも現れている「母子本位」の考え方は、大正11年の「日本赤十字社産院」開設から100年近い歴史の中で、連綿と受け継がれているのです。
現在は、MFICU(母体・胎児集中治療室)6床、産科79床のベッド数があり、東京都の母体救命対応総合周産期母子医療センター(スーパー総合周産期センター)として、都内における周産期医療の中枢的な役割を果たしています。少子化の現在においても、2022年(令和4年)の分娩件数は1,608件。さらに、新生児医療も充実しており、NICU(新生児集中治療室)21床、GCU(強化治療室・回復期治療室)34床と都内屈指の規模を持ち、多くの患者を受け入れています。
(参考:東京都福祉保健局 令和4年度第1回東京都周産期医療協議会(令和5年3月22日WEB開催) ※参考資料9-1「令和3年度患者取扱実績【産科】」のPDFをご参照ください(外部サイトに遷移します))
また、母乳育児への取り組みが評価され、平成12年には東京都内で初めてWHO(世界保健機関)・UNICEF(国連児童基金)から「Baby Friendly Hospital(赤ちゃんにやさしい病院)」の認定を受けています。
日赤医療センターでは、157名の助産師がケアにあたっており、母子とその家族に、安心で快適な、満足していただける周産期医療を提供しています。
これらのことから、実習環境としては大変に恵まれているといえるでしょう。
LDRルーム(日赤医療センター) |
水中分娩室(日赤医療センター) |
教育課程
カリキュラムについて
カリキュラムは助産学概論、基礎助産学、助産診断・技術学、助産管理、地域母子保健、赤十字概論、看護研究等から構成され、人間の性と生殖に関する課題を中心に展開されます。講義・演習・実習等、充実した教育内容になっています。
年間スケジュール
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
講義 |
実習 |
夏季
休業 |
実習 |
冬季
休業 |
講義 |
国家
試験 |
卒業 |
実習・講義風景
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学生が母乳育児について説明している様子です。
学生は、10名ずつグループに分かれ、各々3回ずつ母親学級を開催します。
参加される妊婦さんは各グループ10名ほどです。 |
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医療センターの師長・スタッフを講師に招き講義を受けます。 |
発表やプレゼンテーションをしながら、
健康教育の技法も学びます。 |
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教師の指導のもと、ファントーム(人体模型)を使って技術演習を繰り返し行います。 |
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入学後より各グループで研究を行います。
結果をまとめて2月には発表会を行います。 |
ヨガ・イメジェリーなどの講義もあります。
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一年の学びを振り返って
保健所実習
保健所実習では、地域における母子保健活動の実際を体験し学ぶことができました。助産師は女性の一生を支える職種であると思います。
病院で働く助産師が多い中、病院だけではなく地域での活動に実際に参加して、地域においても助産師の存在がいかに重要であるかということを実感しました。
62期生・中西
助産所実習
助産所実習では、外来での健診、助産所での分娩、入所中の褥婦さんと新生児のケアを体験します。場合によっては泊り込みで実習します。産婦さんが望む出産、その人らしい出産を実現するために、それぞれの生活に根ざした保健指導、個別性を考えじっくり関わります。また、それぞれの助産所実習での体験を学生同士で発表しあい、助産所で行われているケアを共有し、助産管理について学ぶ有意義な実習になっています。
62期生・兼松
分娩介助
分娩介助演習では、仰臥位、側臥位、四つん這い等のフリースタイル分娩の実際について学びます。先生や臨床スタッフの指導のもとで、分娩介助技術習得はもちろん、産婦さんへの精神的支援やご家族との関わりについても考え、学ぶことができます。また、臨地実習では、分娩介助をさせていただいた際に担当してくださった指導者さんとその都度振り返りをし、自分の学びを深めることができます。人生の中で、数回あるかないかの「出産」の場に立ち会えるのが助産師です。学生時代に出会った産婦さん、赤ちゃんへの感謝の気持ちを忘れず、産婦さんに寄り添う姿勢を大切にしていきたいと思います。
62期生・井澤
母親学級
日赤医療センターに受診されている妊婦さんを対象に、3回の母親学級を運営します。妊婦さんの持っている力を引き出す健康教育法や、相手に伝わるプレゼンテーションの工夫、グループ内の協力の大切さなど多くのことを学びました。また、3月には同窓会を開きます。
かわいい赤ちゃんの成長ぶりや、母親・父親になられた逞しい姿にお会いでき、ともに成長を実感することができました。
62期生・間所
卒業後の進路
卒業生は、赤十字病院をはじめ、全国の主要な医療機関に就職しています。
区分 |
令和3年度
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令和4年度 |
令和5年度 |
卒業生人数 |
37名
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40名 |
40名 |
就職 |
赤十字病院 |
14名(37.8%)
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21名(52.5%) |
24名(60%) |
赤十字病院以外 |
23名(62.2%)
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19名(47.5%) |
16名(40%) |
過去4年間の赤十字施設就職先一覧
日本赤十字社医療センター、伊達赤十字病院、浦河赤十字病院、仙台赤十字病院、石巻赤十字病院、前橋赤十字病院、さいたま赤十字病院、深谷赤十字病院、成田赤十字病院、武蔵野赤十字病院、大森赤十字病院、東京かつしか赤十字母子医療センター、横浜市立みなと赤十字病院、秦野赤十字病院、富山赤十字病院、山梨赤十字病院、飯山赤十字病院、静岡赤十字病院、伊勢赤十字病院、大津赤十字病院、日本赤十字社和歌山医療センター、岡山赤十字病院、広島赤十字・原爆病院、松山赤十字病院、高知赤十字病院、沖縄赤十字病院
就職支援
本校では、学生への就職支援として入学後より随時面接を受け付け、就職相談にのっています。
取得資格
卒業時には、受胎調節実地指導員認定資格、NCPR Aコースが取得できます。
また、助産師国家試験受験資格が得られ、合格すれば助産師免許を取得できます(令和4年度生 助産師国家試験 合格率100%)。
学費その他納付金(令和6年度生)
入学金 |
年額310,000円 |
授業料 |
年額700,000円 |
施設整備費 |
年額550,000円 |
年額合計 |
1,560,000円 |
奨学金案内
日本学生支援機構貸与奨学金制度
東京都看護師等修学資金制度
各赤十字病院施設からの奨学金制度(不定期)
教育訓練給付制度指定校
第三者評価
2018年度第三者評価報告書
2023年度第三者評価報告書
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