化学療法科(腫瘍専門)

私たちは、がん治療の専門家であり、腫瘍内科医です。

--- 化学療法科 News & Topics ---​


当科宮本医師の論文がhigh impact factor journal*であるJAMA Oncology(IF: 22.4)に発行されました。


 論文はこちらから


*impact factor とは学術雑誌の重要性または影響度を定量化した指標の一つです。主に自然科学、社会科学分野の学術雑誌について、掲載論文の年間の被引用回数から求められます。高ければ高いほど格のある雑誌と見なされています。

特色

2010年4月に当センターに宮本医師が着任し創設された化学療法科は、2014年に國頭部長の着任により世界を見据えた医療体制となり、2020年に創設10年を迎え、更なる飛躍を遂げようとしています。

私たちの治療方針

がんゲノム情報に基づいた正確な治療(がんゲノム医療)

がんゲノム医療は、がんの原因となる遺伝子変化をみつけ、その遺伝子変化に応じた治療を選択する方法です。Genotype-matched therapyと呼ばれ、治療効果は非常に高いことが報告されています。当センターでは当科が担当しており、がんゲノム連携病院に認定されています。2019年より、一部保険診療での対応が可能となり、今後、さらなる発展が見込まれる治療戦略の1つです。

レベルの高い緩和医療

腫瘍内科医のスキルの1つとして緩和医療があります。当科では2010年の創設以降、高いレベルの緩和医療を提供し、国内外で多くの実績を積み重ねています(業績)。一般的な緩和医療では症状を重視しますが、当科では腫瘍内科の観点から病態と症状に重点をおいてきました。たとえば、呼吸困難感ひとつにしても、すべてのがんで同じ対応であるはずがありません。当科では、国内では数少ない病態と症状に応じた高いレベルの緩和医療を提供しています。

 どんながんにでも対応する質の高い医療

当科で対象としている疾患は、血液腫瘍を除くすべての固形がんであり、臓器横断的な治療を行っています(診療実績)。当科は積極的にキャンサーボード(肺がん、大腸がん、婦人科がん、泌尿器がん、放射線治療)を開催しています。また、患者さんや家族と一緒にがんに対する治療をしていくというShared Decision Making(共有意思決定)を大切にしています。

特別な状況にでも対応できる体制

1. AYA(Adolescent&Young Adult)世代(思春期・若年成人)・妊娠中のがん患者さんへの治療
若い世代のがん患者さんには、妊孕性・遺伝性の問題、子育て、就労など多くの問題が生じます。当科では、これらの問題にも、経験豊富な医師が適切に対応します。一例として、当センターは国内有数の周産期病院であり、妊娠中のがん治療へも柔軟に対応することが可能です。【論文(PDF)】

2. 抗がん剤のアレルギー・過敏反応をもつ患者さんへの治療
抗がん剤の種類によりアレルギー反応で治療の継続が困難な患者さんもいらっしゃいます。私たちはこのような患者さんに最適な対応をすることにより治療の継続を可能としています。【論文(PDF)

扱う疾患

・胸部悪性腫瘍(肺がん、悪性中皮腫、胸腺腫瘍)
・消化器悪性腫瘍(食道がん、胃がん大腸がん
・肝胆膵悪性腫瘍(胆道がん、胆管がん、膵がん)
乳がん
婦人科がん子宮体がん子宮頸がん卵巣がん
・泌尿器がん(腎がん、尿管・膀胱がん、前立腺がん)
・頭頸部がん(甲状腺がん、咽頭がん)
・肉腫
・胚細胞腫瘍
・希少がん

このような症状の方を診察いたします

がんと診断がついている
専門医に手術前後の補助化学療法を希望される
がんのプランニングサポート外来を望まれる
早期からの緩和医療を希望される

主な検査

当科は、肺がん遺伝子診断ネットワークであるLC-SCRUM研究に参加しており、肺がんの遺伝子診断を行っています。
これまでにEGFR遺伝子変異を含めると、約80%近くの患者さんのがん遺伝子異常を同定し、治療に役立てています。

主な実績

診療実績(2019年度)

入院
延患者数 新患者数 1日平均患者数
2,914 283 12.1
外来
延患者数 新患者数 1日平均患者数
3,454 282 14.4

緩和ケアに関する業績

出版書籍

論文
宮本 信吾, 大熊 裕介, 高木 雄亮, 下川 恒生, 細見 幸生, 井口 万里, 岡村 樹, 澁谷 昌彦.
Epidermal growth factor receptor tyrosine kinase inhibitorが有効であった非小細胞肺がん症例の終末期継続投与の意義. Palliative Care Research 2011;6(1): 119-125.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/6/1/6_1_119/_pdf/-char/ja

○ 西 智弘, 森 雅紀, 松本 禎久, 佐藤 恭子, 上元 洵子, 宮本 信吾, 三浦 智史, 厨 芽衣子, 中野 貴美子, 佐藤 一樹, 下井 辰徳, 田上 恵太, 江角 悠太, 坂井 大介, 古川 孝広, 森田 達也.
緩和ケア医を志す若手医師の教育・研修に関連したニーズ―質的研究の結果から. Palliative Care Research 2013;8(2):184-191.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/8/2/8_184/_pdf/-char/ja

○ Yokomichi N, Morita T, Nitto A, Takahashi N, Miyamoto S, Nishie H, Matsuoka J, Sakurai H, Ishihara T, Mori M, Tarumi Y, Ogawa A.
Validation of the Japanese Version of Edmonton Symptom Assessment System-Revised. J Pain Symptom Manage. 2015;50(5):718-23. PMID: 26169339.
https://www.jpsmjournal.com/article/S0885-3924(15)00331-0/pdf

○ Mori M, Nishi T, Nozato J, Matsumoto Y, Miyamoto S, Kizawa Y, Morita T.
Unmet Learning Needs of Physicians in Specialty Training in Palliative Care: A Japanese Nationwide Study. J Palliat Med. 2016;19(10):1074-1079. PMID: 27386741.
https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/jpm.2015.0166

○ Yamaguchi T, Morita T, Nitto A, Takahashi N, Miyamoto S, Nishie H, Matsuoka J, Sakurai H, Ishihara T, Tarumi Y, Ogawa A.
Establishing Cutoff Points for Defining Symptom Severity Using the Edmonton Symptom Assessment System-Revised Japanese Version. J Pain Symptom Manage. 2016;51(2):292-7. PMID: 26598039.
https://www.jpsmjournal.com/article/S0885-3924(15)00570-9/pdf

○ Mori M, Morita T, Yokomichi N, Nitto A, Takahashi N, Miyamoto S, Nishie H, Matsuoka J, Sakurai H, Ishihara T, Tarumi Y, Ogawa A.
Validation of the Edmonton Symptom Assessment System: Ascites Modification. J Pain Symptom Manage. 2018;55(6):1557-1563. PMID: 29581035.
https://www.jpsmjournal.com/article/S0885-3924(18)30176-3/pdf

○ 野里 洵子, 垂見 明子, 松本 禎久, 西 智弘, 宮本 信吾, 木澤 義之, 森田 達也, 森 雅紀.
緩和ケアの研修、自己研鑽に関する若手医師の考え 質問紙調査の自由記述の質的分析. Palliative Care Research 2018;13(2): 175-79.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/13/2/13_175/_pdf/-char/ja

○ 野里 洵子, 宮本 信吾, 森 雅紀, 松本 禎久, 西 智弘, 木澤 義之, 森田 達也.
緩和ケアを専門としようとしている若手医師の研修、自己研鑽に対するニーズには何が影響するか. Palliative Care Research 2018;13(3): 297-303.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/13/3/13_297/_pdf/-char/ja

○ Sakurai H, Miyashita M, Imai K, Miyamoto S, Otani H, Oishi A, Kizawa Y, Matsushima E.
Validation of the Integrated Palliative care Outcome Scale (IPOS) - Japanese Version. Jpn J Clin Oncol. 2019;49(3):257-262. PMID: 30668720.
https://academic.oup.com/jjco/article-abstract/49/3/257/5298617?redirectedFrom=fulltext
学会発表
第15回 日本緩和医療学会学術集会
Epidermal growth factor receptor tyrosine kinase inhibitorが有効であった非小細胞肺がん症例の終末期継続投与の意義
宮本 信吾, 大熊 裕介, 高木 雄亮, 下川 恒生, 細見 幸生, 井口 万里, 岡村 樹, 澁谷 昌彦
日本赤十字社医療センター 化学療法科

第16回 日本緩和医療学会学術集会
固形癌骨転移症例に対し、いつからゾレドロン酸を投与すべきか?
宮本 信吾1, 市居 陽子2, 中川 靖章1
1. 日本赤十字社医療センター 化学療法科, 2. 薬剤部

第17回 日本緩和医療学会学術集会
・腫瘍内科医と緩和ケアチームのあり方 現状と将来的展望
宮本 信吾1, 高橋 尚子2, 小野 圭子3, 山田 彩華3, 二宮 抄苗4
1. 日本赤十字社医療センター 化学療法科, 2. 緩和医療科, 3. 看護部, 4. 栄養科

第18回 日本緩和医療学会学術集会
最終化学療法終了後の療養期間のがん種別検討
宮本 信吾1, 高橋 尚子2, 小野 圭子3, 山田 彩華3, 勝本 絵美4, 西川 美沙子4, 濱 義人3, 竹内 愛2
1. 日本赤十字社医療センター 化学療法科, 2. 緩和医療科, 3. 看護部, 4. 薬剤部

第19回 日本緩和医療学会学術集会
緩和ケア医を志す若手医師が感じる研修・自己研鑽のニーズと改善策 全国大規模調査
森 雅紀1, 西 智弘2, 上元 洵子1, 松本 禎久3, 宮本 信吾4, 木澤 義之5, 森田 達也6 
1. 聖隷浜松病院 緩和医療科, 2. 川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター, 3. 国立がん研究センター東病院 緩和医療科, 4. 日本赤十字社医療センター 化学療法科, 5.神戸大学大学院医学研究科, 6.聖隷三方原病院 緩和支持治療科

第20回 日本緩和医療学会学術集会
Edmonton Symptom Assessment System revised 日本語版 (ESAS-r-J)の開発
小川朝生1, 樽見葉子2, 西江宏行3, 松岡順治3, 宮本信吾4, 高橋尚子4, 櫻井宏樹5, 木下寛也1, 森田達也6
1. 国立がん研究センター 東病院 臨床開発センター 精神腫瘍学開発分野, 2. Division of Palliative Care Medicine, Department of Oncology, University of Alberta, 3. 岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科, 4. 日本赤十字医療センター, 5. 聖路加国際病院 緩和ケア科, 6. 聖隷三方原病院 緩和支持治療科
・若手医師の緩和研修に対するニーズには、何が影響するか:緩和ケア医を志す若手医師が感じる研修・自己研鑽のニーズと改善策に関する全国調査から
上元洵子1, 宮本信吾2, 森雅紀1, 松本禎久3, 西智弘4, 木澤義之5, 森田達也6
1. 聖隷浜松病院 緩和医療科, 2. 日本赤十字社医療センター 化学療法科, 3. 国立がん研究センター東病院 緩和医療科, 4. 川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター, 5. 神戸大学大学院医学研究科 先端緩和医療学分野, 6. 聖隷三方原病院 緩和支持治療科

第22回 日本緩和医療学会学術集会
緩和ケアにおけるCareer Development~若手医師が備えたい必須のスキル~
日本赤十字社医療センター化学療法科 宮本 信吾

第24回 日本緩和医療学会学術集会
・卒前教育/施設内教育/市民・患者への啓発/その他の教育・啓発・緩和ケアデリバリー・研究
松本 禎久1, 上原 優子1, 森 雅紀2, 西 智弘3, 野里 洵子4, 宮本 信吾5, 木澤 義之6, 森田 達也2
1.国立がん研究センター東病院緩和医療科, 2.聖隷三方原病院緩和支持治療科・緩和ケアチーム, 3.川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター, 4.東京医科歯科大学医学部附属病院腫瘍センター, 5.日本赤十字医療センター化学療法科, 6.神戸大学大学院医学研究科先端緩和医療学分野

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