糖尿病や閉塞性動脈硬化症、静脈うっ滞、その他の疾患が原因(褥瘡を除く)で、「足に出来た傷が治りにくい」、「治らない」など、3か月以上の慢性創傷を持つ方を対象として、足の傷を専門的に治療しています。特に、糖尿病性潰瘍や閉塞性動脈硬化症の場合には、放置したり適切な治療を行なわないと、傷から感染し、足の切断を余儀なくされることもあります。早期発見、早期治療、その後の再発予防を行なうことで、切断回避につなげる取り組みを行なっています。
治療には、多職種により構成されたチームで行っております。糖尿病内科医師と皮膚科医師が中心となり、診察・治療を行います。看護師は、糖尿病看護認定看護師、皮膚・排泄ケア認定看護師、皮膚科看護師がおり、創傷処置やそのセルフケア指導を行なうだけでなく、創傷以外の部位の創傷発生予防のため、爪切りなどのフットケア、静脈うっ滞性潰瘍の場合、バンテージやストッキングの選択・セルフケア指導も実施しています。また、検査技師は、皮膚潅流血圧(SPP)の測定やエコー検査を実施、義肢装具士が、治療中は創部の免荷のための装具作成や免荷材料の使用方法の説明、治癒後は、再発予防のための装具作成、定期的な調整などを行なっています。その他、必要に応じて、院内各科診療科(放射線科、循環器内科、心臓血管外科、腎臓内科)や他の創傷センターと連携を図っています。
治療は、基本的には1-2週間に1回の通院治療で進めていきます。傷を治すためには、糖尿病や心不全などの疾患管理や栄養管理なども必要であり、それらを患者さん自身が行えるように教育的支援も行っていきます。また、全身感染症の治療や安静が求められる場合、局所陰圧閉鎖療法が必要な場合には、入院治療となる場合もあります。
初回外来時は、問診後、必要な検査(採血・レントゲン・心電図・脈波・SPP・細菌培養など)を行ない、追加検査の検討・処置を行ないます。その後の継続外来では、診察室および処置室で創部を洗浄するなどの処置を実施し、免荷材料や装具の再調整などを行ないます。その際、血流障害が疑われる場合には、放射線科や循環器内科の診察が必要となるため、後日、診察を受け、追加検査を行ない、治療方針が決定されることもあります。
受診を希望される方は、医療機関からの紹介は医療連携課へ、患者さんやその家族からの予約は皮膚科外来へご連絡ください。また、他病院での治療中・入院中の方で、ご家族のみの来院の場合は、セカンドオピニオンにて対応しております(自費診療)。セカンドオピニオンは、創傷ケア外来の外来日とは異なる場合がありますので、皮膚科外来へお問い合わせください。