循環器内科

当科のご紹介

循環器内科は、都内外の医療機関から紹介を受けるとともに、救急で来院される患者さんも多いため、24時間、365日対応しており、東京都CCUネットワークに参加して、救急車を積極的に受け入れています。 狭心症や心筋梗塞に対する冠動脈インターベンション(PCI)治療を多数行っています。不整脈に対するアブレーション治療も行っています。しかし、このような患者さんは、糖尿病や高血圧症、高コレステロール血症などの生活習慣病をお持ちのことが多く、また、脳や腎臓などの他の臓器に隠れた問題を抱えていることも多いため、一人一人の患者さんに合わせて、総合病院の利点を生かして他科と連携しながら治療を行っており、この点で心臓専門病院とは一線を画しています。 他の医療機関におかかりで、検査や治療の方針にお迷いの方に対するセカンドオピニオンも積極的にお受けしていますので、お気軽にご相談下さい。

特色

2018年一年間の冠動脈インターベンション(PCI)施行数は336件でした。一人一人の術者が十分な症例数をこなしており、ロータブレーター(PTCRA)を含め、最新の方法で積極的に治療しています。治療が必要な病変であるかどうかは、運動負荷、心電図、負荷タリウムシンチグラム、冠動脈CT検査に加え、冠動脈内の圧力を測ること(RFR、iFR、FFR等)で適切に決定を行っています。不整脈に対するカテーテルアブレーション治療も行っています。また、心不全の患者さんも多く、ペースメーカー、植込み型除細動器(ICD)といった治療を行っており、心臓再同期療法(CRT-P、CRT-D)、在宅酸素療法、在宅人工呼吸療法なども積極的に行っています。各治療を行うにあたっては、適応、その他を丁寧に説明した上で、患者さんご本人とご家族の十分な了解を得た上で行っています。 循環器内科と心臓血管外科は、毎朝のミーティング、週2回のカンファレンスを行い、外科治療を含めて一人一人の患者さんに最適な治療法を協議しています。心臓移植が必要となるような重症心不全の患者さんは、移植施設である東京大学と連携して治療にあたっています。

扱う疾患

  • 労作性狭心症
    胸の痛みで発症しないことも多いため、詳細な問診と適切な検査で正確に診断しています。
  • 不安定狭心症
    直ちに治療を開始して急性心筋梗塞への移行を防ぐ必要があるため、緊急で入院していただき、速やかに検査、治療を行っています。
  • 急性心筋梗塞
    命にかかわる病態です。夜間、休日を問わず、緊急で検査、治療を行っています。
  • 心房細動、心房粗動
    これらの疾患で最も重要な脳梗塞の予防を中心に、薬物療法を行っており、カテーテルアブレーションによる根治術も施行しています。
  • 心室頻拍
    緊急度に応じて、検査、内服薬、カテーテルアブレーション治療、植込み型除細動器による治療を行っています。特殊な治療が必要な場合には、大学病院などに紹介することもあります。
  • うっ血性心不全
    症例毎に治療法が異なるため、原因や病態を正確に評価し、早期に退院できるように適切に治療を行っています。
  • 閉塞性動脈硬化症(PAD)
    画像検査やカテーテルによる血管造影検査により正確に診断し、薬物治療とカテーテル治療、外科治療を組み合わせて治療を行っています。
  • 肺血栓塞栓症(PTE)
    エコノミークラス症候群で有名です。速やかに診断し、必要があれば重症化しないように下大静脈フィルターの留置や血栓溶解療法を行っています。
  • 深部静脈血栓症(DVT)
    急性症状が強い場合に効果的な、カテーテルを用いたpulse spray法による血栓溶解療法を積極的に行っています。
  • 解離性大動脈瘤(大動脈解離)
    急性解離の場合には、救急外来のCTで速やかに診断し、心臓血管外科とも協力して迅速に治療を開始しています。
  • 高血圧症
    一般的な疾患ですが、血圧が上昇する原因として腎動脈の狭窄やホルモン産生腫瘍などの疾患が隠れていることがあるため、必要に応じて様々な検査を行い、二次性高血圧症の診断、治療を行っています。
  • 房室ブロック
    ホルター心電図、心臓電気生理検査などを行い、必要に応じて十分説明した上で、ペースメーカー治療を行っています。

このような症状の方を診察いたします

胸痛、背部痛、動悸、めまい、失神、息切れ、呼吸困難、浮腫、足の痛み、冷感 ほか

主な検査

心電図、胸部レントゲン、心エコー、脈波検査(ABI/CAVI)、ホルター心電図、トレッドミル負荷心電図、負荷心筋シンチグラム、心臓カテーテル検査、血管内超音波検査(IVUS)、冠血流予備量比(FFR/iFR)、経食道心臓超音波検査、心臓電気生理検査(EPS)、ポリソムノグラフィー、サーモグラフィー、副腎静脈血サンプリングなど

主な実績

診療実績(2022年度)

入院
延患者数 新患者数 1日平均患者数
6,106 929 19.3
外来
延患者数 新患者数 1日平均患者数
13,476 1,555 55.5

TeaTimeの記事

Tea Time73号(2020年・春号)

特集:狭心症を見極めるために
PDF版はこちら

Tea Time40号(2011年・夏号)

特集:最新カテーテル治療で「詰まった冠動脈再開通!」
PDF版はこちら

Tea Time40号(2011年・夏号)

学術研究へのご協力のお願い

当センター循環器内科では、医療の質の向上を目的として、患者さんの症例を登録して学術研究に役立てるデータベース事業及び調査に協力しています。個人の情報が特定されないように匿名化した上で情報を提供しています。

東京都CCU連絡協議会データベース(急性心血管疾患で入院した患者さん)
  東京都CCU連絡協議会について詳しく知りたい方はこちら

東京都CCUネットワーク バナー

NCDシステム(J-PCI、J-EVT、J-SHDレジストリー)(インターベンション(カテーテル)治療を受けた患者さん)
  National Clinical Database(NCD)について詳しく知りたい方はこちら
  日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)について詳しく知りたい方はこちら

JROAD 循環器疾患 診療実態調査(心疾患の入院治療を受けた患者さん)
  JROAD循環器疾患 診療実態調査について詳しく知りたい方はこちら