新生児科の特色

NICU

人工呼吸管理などを必要とする重症の新生児を治療する「新生児集中治療室」です。当センターは、15床のNICUと40床の後方病床(GCU)を有しています。

極低出生体重児・超低出生体重児

出生体重が1500g未満の児を極低出生体重児、その中でも1000g未満の児を超低出生体重児と言います。これらの児は未熟性が強いため、死亡率や予後が成熟児とは大きく異なり、厳重な全身管理や専門治療を要します。

低体温療法

出生時に呼吸の確立がスムーズでない状態が「新生児仮死」ですが、その中で脳活動が障害されているものを「低酸素性虚血性脳症」といいます。近年、一定の基準を満たす中等症以上の低酸素性虚血性脳症の治療として低体温療法が世界的に推奨されており、当センターでもこれに則り、専用の機器を用いて体温を33~35℃に3日間冷却しています。

一酸化窒素吸入療法

肺高血圧を呈した児や肺に血液が流れにくい児に対して、肺血管を拡張させる作用をもつ一酸化窒素を吸入する治療法です。直接気道に到達することで、肺血管以外の全身への作用を極力減らすことができます。

低酸素療法

生まれついての心臓病(先天性心疾患)の中には、肺血流が増加し、それ以外の全身への血流が減少することで、心不全を起こす疾患があります。これらの疾患に対しては手術が必要ですが、それまでの全身状態を整える目的で、低酸素療法を行うことがあります。酸素濃度の低いガスを吸入することで、肺血管が収縮し、増加した肺血流を減らし四肢への血流を増やす効果があります。

交換輸血

新生児は、個人差はあるもののほぼ全員に黄疸が認められます。一定レベル以上の黄疸に対して、青や緑色の光を照射する「光線療法」が広く行われています。しかし、稀ですが光線療法の効果が限定的である児もいます。このような場合や、極端に強い黄疸を持つ児に対しては、脳保護の目的で黄疸のもとになるビリルビンを血液中から除去する「交換輸血」を行います。敗血症のような重症感染症にも有効な場合があります。

シナジス注射

乳幼児の代表的な呼吸器感染症のRSウイルス細気管支炎・肺炎を予防するため、流行シーズンの冬期にシナジス注射を外来にて行っています。対象となるのは35週以下の早産児・治療を要している先天性心疾患の児や慢性肺疾患の児、21トリソミーの児です(ただし月齢によっては適応外となる場合もあります)。