人間ドックのお知らせ

2019年06月11日

「ロコモドック」を開設します


 ロコモティブシンドローム(運動器症候群、以下ロコモ)をご存知でしょうか。ロコモとは、私たちの身体を動かす「運動器」である筋肉や骨、関節、椎間板などに障害が起こり、日常生活に何らかの支障が生じている状態を指します。ロコモが進行すると介護が必要な状態になることもあり、高齢者の割合が増加している日本では対策が急務です。そこで、当センターの健康管理センターでは「ロコモドック」を開設し、地域住民の皆さまへの運動器疾患に対する健康意識向上を目指すことにしました。

 国民生活基礎調査において、介護が必要になった原因を調査すると、要支援者となった原因は関節疾患が最多で、高齢による衰弱が続きます。また要介護者となる原因は、認知症、脳血管障害の次に骨折・転倒、そして高齢による衰弱が続きます(2016年国民生活基礎調査調べ)。これらの全国調査データからわかるように、 運動器疾患に対する健康意識の重要性を社会として認知していかなければならない時代に日本は突入しています。ロコモや運動器疾患に対する世間の関心は「がん」や「メタボリックシンドローム」に比べると低いと予想され、当センターで行ったオープンホスピタルに参加された方々へのアンケート調査では、ロコモという言葉を知っている方は全体の49%、ロコモを他人に説明できる人はわずか17%でした。日本のがん検診の受診率は男女ともに年々向上しており、各がん健診受診率は約35〜50%という報告があります。がん検診と同じように地域住民の皆様の中での認知が向上し、運動器検診を受けるように啓蒙することが「ロコモドック」の目標です。

 これまで、当センターの健康管理センターを含めて 、運動器に関する検診として骨粗鬆症検査のみを行っている施設がほとんどでした。たしかに骨脆弱となることは加齢に伴う深刻な問題ではありますが、関節・脊椎疾患の早期診断、筋量測定や活動度計測など、ロコモを予防あるいは早期診断するための重要な検査が他にもたくさんあります。多面的な運動器検診を受けていただくことで、日常生活の行動変容を促すような栄養・運動指導や診療科受診につなげていきたいと思います。投薬治療や手術加療などの医療行為介入が必要となるロコモ状態となる前に、ぜひ運動器検診「ロコモドック」を受けて健康寿命を伸ばしましょう。