ANCA関連血管炎性中耳炎

ANCA関連血管炎性中耳炎とは

ANCA関連血管炎は抗好中球細胞質抗体陽性を特徴とする全身の細血管炎です。近年、中耳炎初発のANCA関連血管炎の報告が増加してきましたが、中耳炎のみで他の臓器障害が出現しない場合は、血液検査での抗体もしくは病理組織検査が陽性でないと、これまでの血管炎の診断基準では確定診断できませんでした。このような背景からANCA 関連血管炎性中耳炎(Otitis Media with ANCA―Associated Vasculitis ; OMAAV)が命名され、診断基準が公表されました。これにより、臨床経過が該当しかつ鑑別診断となる他の疾患を除外できれば、診断が可能となり、これまで治療が遅れて高度難聴が残存したり、生命予後にかかわる重篤な合併症を続発する症例に対してより早期に介入することが可能になりました。
ANCA関連血管炎性中耳炎(OMAAV)と診断された症例に関してはアレルギー・リウマチ科にも介入を依頼し、ステロイドや免疫抑制剤を使用しつつ中耳炎や難聴の経過をフォローしていきます。

当センターでできる検査・治療

検査

血液検査(MPO-ANCA, PR3-ANCAなど、糖尿病の有無)や尿検査(腎疾患合併の有無)
造影MRI
側頭骨CT
聴力検査
胸腹CT

当センターでの実績

・ANCA 関連血管炎性中耳炎:2例

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