間質性肺炎

間質性肺炎とは

間質性肺炎は、健康診断でのレントゲン異常で発見される方や、咳や息切れを訴えて来院される方など、受診契機はさまざまです。原因不明のもの(特発性)と、膠原病、喫煙、薬剤、吸入物、鳥との接触などによる原因が明らかなものに大きく分けられます。原因によって経過、予後、治療法が大きく異なるため、確定診断が非常に重要となります。当科では、初診時に専用の問診票を使用した詳細な問診やレントゲン、CT、呼吸機能検査を行い、原因の特定に努めております。これらの検査では原因の特定が困難な場合は、肺の細胞、組織を採取するため、気管支鏡検査や手術(胸腔鏡補助下肺手術(VATS)による肺部分切除術)によって肺の一部を採取することが必要となる場合があります。当科では、呼吸器外科、病理部と連携をはかり、安全で迅速かつ正確な診断を行っております。特に、病理部には間質性肺炎を専門とする病理医が勤務しており、他院からのご紹介で来院される方やセカンドオピニオンなどの相談も多く、周辺施設からも信頼される病理診断を行っております。 間質性肺炎は一般的に、徐々に病状が進行し、呼吸不全に陥る場合が多い疾患です。進行速度や治療への反応性は、間質性肺炎の原因や細かな分類によって異なります。

当センターでできる検査・治療

治療は、原因が明らかな場合はその除去が最優先となります。また、膠原病や薬剤が原因の場合はステロイドや免疫抑制剤などが有効な場合があります。一方、原因不明の特発性間質性肺炎の場合、新規発売された抗線維化薬を使用し、線維化の進行を遅らせる治療を行います。現在、使用できる抗繊維化薬としてはピルフェニドン(ピレスパ®)とニンテダニブ(オフェブ®)の二種類があり、これらを適切に使用することで線維化の進行を抑えたり、後述する急性増悪の頻度を低下させたりすることができる可能性があります。
慢性的に呼吸状態が悪化した場合、在宅酸素療法(HOT)を導入したり、呼吸リハビリテーションによる教育、栄養指導を併用したりする場合もあります。また、時に急速な呼吸状態の悪化をきたし、急性増悪とよばれる病態に陥ることがあり、ひとたび急性増悪をきたすと予後は非常に厳しいものとなり得ます。当科ではステロイド、人工呼吸器管理、抗炎症効果をもった新規の抗凝固薬(トロンボモジュリン)、さらには体の炎症物質を取り除く血液浄化療法(ポリミキシンB固定化線維充填カラムによる直接血液灌流、PMX-DHP)などを駆使することにより、急性増悪を乗り切るべく、最大限の努力をしております。

検査や治療について詳しくは、以下のリンク先をご覧ください。
間質性肺炎センターのページ

当センターでの実績

2019年度

間質性肺炎:250件