サイバーナイフセンター
日本赤十字社医療センターでは、平成20年4月に定位放射線治療装置
「サイバーナイフ」を導入し、脳腫瘍(原発性脳腫瘍・転移性脳腫瘍)ならびに頭頸部がんなどの治療を積極的に行っています。ナイフとは言っても、手術のように切るわけではなく、治療に痛みを伴うこともありません。サイバーナイフは、「切らずに治す」ことを目的とした先端的治療機器と言えます。
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【サイバーナイフとは】
サイバーナイフは、コンピュータ制御のロボットアームに軽量で高線量照射が可能な放射線照射装置を装着した定位放射線治療装置で、脳腫瘍ならびに頭頸部がんを主な治療対象としています。定位放射線治療は、高線量の放射線ビームを正確に病巣に照射し、周囲の正常細胞を温存したまま体内の腫瘍細胞を破壊する治療法で、従来の外科治療と異なり、全身麻酔、切開・剥離・摘出などの手術操作、長期の回復時間などは一切不要です。
【ガンマナイフの欠点を克服したサイバーナイフ】
定位放射線治療にはサイバーナイフ以外にガンマナイフやエックスナイフなど複数の装置が使用されています。
特にガンマナイフはその精度の高さから信頼性が高く、広く用いられてきました。しかし、ガンマナイフには以下のような欠点があります。
1.頭の中の病気のみを対象としていること
2.頭蓋骨に直接金属ネジを刺入して金属フレームを固定した状態で、画像検査・治療計画・ガンマナイフ治療の一連の操作を行う必要があり、およそ半日にわたって、かなりの精神的かつ身体的苦痛を強いられること
3.金属フレームを装着する必要性から、数日間にわたる分割照射が不可能なため、径が約2.5cm以上(腫瘍体積が約10ml以上)の脳腫瘍、ならびに視神経や脳幹などの近傍に存在する脳腫瘍の治療が不可能
これに対して、サイバーナイフはこれらのガンマナイフの欠点をすべて克服しています。すなわち、サイバーナイフは脳腫瘍のみならず、全身の主ながんを治療対象としています(現時点では脳腫瘍以外は頭頸部領域の各種がんに治療対象が限定されています)。また、サイバーナイフは患者さんのわずかな体動を捉えて照射角度を微調整出来る追尾機能を備えているため、ガンマナイフのように頭蓋骨をネジで固定する必要がありません。頭蓋骨をネジで固定する必要がなくなったために、数日間にわたる分割照射が可能となり、ガンマナイフでは不可能であった「径が2.5cm以上の脳腫瘍」「視神経や脳幹などの近傍に存在する脳腫瘍」の治療もできるようになりました。

当サイバーナイフセンターでは、厚生労働省が認可する適応疾患のすべてを治療対象としております。また、ガンマナイフでは治療不能と診断された脳腫瘍でも、サイバーナイフでは治療可能な場合が少なくありません。
【脳腫瘍】
(1)良性脳腫瘍:脳下垂体腫瘍、聴神経腫瘍、髄膜腫、頭蓋咽頭腫、血管芽腫など
(2)原発性脳腫瘍:悪性神経膠腫など
(3)転移性脳腫瘍:各種転移性脳腫瘍
【その他の頭蓋内疾患: 脳動静脈奇形】
【頭頸部がん】
(1)鼻・副鼻腔がん (上顎洞がん、篩骨洞がん、前頭洞がん、蝶形骨洞がん、鼻腔がん)
(2)唾液腺がん (耳下腺がん、舌下腺がん、顎下腺がん)
(3)口腔がん(舌がん、歯肉がん)
(4)咽頭がん(上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がん)
(5)喉頭がん
(6)頸部食道がん
(7)聴器がん(外耳がん、中耳がん)
【転移性脊髄腫瘍: 転移性頸髄腫瘍】

【サイバーナイフ治療の流れ】
サイバーナイフ治療は、治療の準備、治療計画、治療の3段階から成り立っています。ガンマナイフ治療の場合には、金属フレームを装着する必要性から、全段階を1日で終了させることが必須です。しかし、サイバーナイフの場合には金属フレームの装着は不要で、医師が治療計画を立てている最中に院内で待っている必要はありません。通常は、治療の準備が終了した段階でその日は帰宅し、治療日に改めてご来院のうえ治療をお受けいただくことになります。もちろん、入院治療も可能です。
以下に、3段階の概要を説明いたします。
(1)治療の準備
脳腫瘍もしくは頭頸部腫瘍の治療では、患者さんごとの顔面の形状に合わせたプラスチック製のマスクを作製します。このマスクは、顔にかぶせるだけのもので痛みはまったくありません。マスクを作製後に、このマスクを装着した状態でCTスキャンとMRIを撮影いたします。
(2)治療計画
上の(1)で撮影された画像から、病巣(腫瘍)に対する放射線照射の方法を決定していきます。ガンマナイフでは、この過程は医師の経験にかなりの部分を依存していますが、サイバーナイフでは医師の経験を高速コンピュータが最大限に支援しています。医師が腫瘍の三次元的位置情報、周囲の重要な正常構造、照射予定線量をいったん決定すると、サイバーナイフのコンピュータは数百万回に及ぶ計算を行い、最も適切な照射法を決定します。サイバーナイフでは、ガンマナイフ等の従来の定位放射線治療装置とは異なり、腫瘍全体に均等な線量を照射することが可能です。
(3)治療
治療用のベッドに横になっていただき、その上で(1)で作製したマスクを装着いたします。その上で、エックス線カメラによる撮影を行い、この画像情報に基づいてロボットアームに装着された放射線照射装置を正確な位置に誘導します。その後に、(2)の治療計画に基づいて、コンピュータ制御下に50〜300のマルチアングルから多数回の照射が行われます。一定間隔で位置補正のための微調整が行われます。治療には30分〜90分を要しますが、痛みは一切伴いません。
治療終了後は帰宅可能で、通常に仕事も食事も可能です。普段どおり入浴することも可能です。腫瘍の大きさや周囲の正常構造との関係から数日に分けての分割照射が必要な場合には、上の(3)を繰り返し行います。もちろん、数日間の入院治療も可能です。
【サイバーナイフ治療を希望される方へ】
(1)サイバーナイフセンターあての紹介状をお持ちの方
当サイバーナイフセンターに電話、ファックス、もしくはe-mailでご連絡ください。
ご本人のご都合をご確認の上、受診日の予約をお取りいたします。
なお、現在の担当医師から当センターあてに直接ご連絡をいただき、かつ患者さんのご了解をいただいている場合には、当センターから患者さんご本人のご自宅に直接連絡する場合もあります。
(2)紹介状のない方
ホームページなどで当サイバーナイフセンターのことを知り、紹介状をお持ちでない方で受診希望の方は、サイバーナイフセンターまでご連絡ください。お話をおうかがいした上で、その内容から「サイバーナイフセンター受診」もしくは「各診療科受診」のいずれが望ましいかを判断し、必要な予約をお取りいたします。
【予約日に来院されたら】
予約日の指定された時刻に日赤医療センターの初診受付にお越しください。
お手続き終了後、サイバーナイフセンター外来(2階・脳神経外科)にお越しいただきます。その後は、担当の事務職員がご案内いたします。
なお、ご希望の方には「サイバーナイフ治療のご案内」を郵送もしくはファックスいたしますので、下記連絡先までご連絡下さい。
【サイバーナイフセンターの連絡先】
〒150−8935
東京都渋谷区広尾4−1−22
日本赤十字社医療センター・サイバーナイフセンター
【電 話】
03−3400−0406(ダイヤルイン)
03−3400−1311(代表)
【FAX】
03−3409−1604(代表)
【E-mail】
cyberknifecenter@med.jrc.or.jp